ジョン・コリア
世界推理短編傑作集5【新版】 (創元推理文庫)作者: 江戸川乱歩出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/04/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 戸川安宣氏によってリニューアルされた『世界推理短編傑作集』がつつがなく完結したことを喜びたい。…
漏れ伝わる噂によると今度のサキ新訳は和爾桃子さんが手がけるだそうだ。これは非常に楽しみだ。というのは和爾さんのジョン・コリア訳に堪能したことがあるからだ。 たとえば「特別配達」。この短篇には拙豚の知っている限りでは、和爾訳の他に二種の訳があ…
連休はほとんど部屋の片付けで終わった。なにしろ散らかし放題なもので、今ごろからやっておかないと悲惨な正月を迎えることになってしまう。そんなときふと出てきたのが、下のような不思議な切り抜き。阿部知二の"Defy the Foul Fiend"の翻訳である。翻訳と…
ナツメグの味 (KAWADE MYSTERY)作者:ジョン コリア河出書房新社Amazon そろそろ『ナツメグの味』が書店に並びはじめるころだ。神保町の書泉グランデにはもうあった。三省堂にはなかった。東京堂はすでに閉まっていた。わたしの訳はまあアレだけれども、他の…
わたしたちは熟読した。グレッセの「鸚鵡のヴェールヴェール」と「シャルトル修道院」、マキャヴェリの『大悪魔ベルファゴール』、スウェーデンボリの『天国と地獄』、ホルベアの『ニルス・クリムの地下旅行』、ロバート・フラッド、ジャン・ダンダジネ、ド…
やがて哀しき外国語 (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/02/14メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 29回この商品を含むブログ (115件) を見る ジョン・コリア解説に使わなかった(使えなかった)小ネタ。 それから僕は二十九にな…
千の脚を持つ男―怪物ホラー傑作選 (創元推理文庫)東京創元社Amazon 翻訳で何が楽しいといってギャグを訳しているときほど楽しいときはない。ギャグがなければ、世界は貧しく狭い場所になってしまう。でもときにはちょっとやりすぎたかな? と思うときもある…
老人と若者がカフェで話をしている。 老人が胸のポケットから小切手を出して若者に見せる。 若者「おおこの小切手は保証付き(certified)ではないですか」 老人「そうですよ。それこそ連中が私に対してなしえないことなのです」 よく分からないながらも書い…
異人類白書作者:浅暮 三文ポプラ社Amazon コリアの「宵待草」は(あの名作、白倉由美の「デパートのアリス」と同じく) デパートに棲みつく人々の話であったが、コリアの時代よずっと複雑化している現代都市には、デパートと言わず、至る所に人の住み着ける…
昨日から探していた資料を雑本の大地層からついにサルベージ! コリアのハリウッド行きに一役買ったヒュー・ウォルポールの伝記である。 モームの「お菓子とビール」とか、あるいは本人の「銀の仮面」とか読むとこの人はホントーに嫌な奴としか思えないけど…
世界ミステリ作家事典―ハードボイルド・警察小説・サスペンス篇作者: 森英俊出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2004/01/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る 前にも一回書いたけれど、ジョン・コリアの信頼できる書誌はど…
コリアの"Roughest Shot"という作品がドイツ版プレイボーイ傑作選(PLAYBOY STORY 2 Moewig Verlag 1979)に訳載されている。ドイツ語の訳題は"O Gott! Ich habe meinen Freund erschossen"。 ところがなぜか、この短篇は本国版のプレイボーイに載った形跡が…
コリアの「旅人帰らず」でch*st*rt*n氏とならんで伏字にされたもう一人のデブの本が国書から出るらし。しかも訳者はかの横山茂雄氏だ。まったく最近は何が出るかわかりませんのう。ふおふおふお。
The Complete New Yorker: Eighty Years of the Nation's Greatest Magazine作者: New Yorker,David Remnick出版社/メーカー: Random House発売日: 2005/09/20メディア: ハードカバー クリック: 3回この商品を含むブログ (10件) を見る 1925年から2005年まで…
スペンサー詩集作者: スペンサー,Edmund Spencer,和田勇一,吉田正憲,山田知良,藤井良彦,平戸喜文出版社/メーカー: 九州大学出版会発売日: 2007/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る ジョン・コリアが「僕は詩人になります」と宣言して父親…
コリアと足穂の共通点はいくつかあるが、そのひとつはその風来坊性だ。 足穂の場合は『東京遁走曲』他の自伝的作品が大量にあるためにその足取りはわりと細かいところまで追えるが、コリアは自分のことは作品に直接書かず、いったいどうなっているのかもうひ…
西脇順三郎全詩引喩集成作者: 新倉俊一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1982/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 『旅人帰らず(No Traveller Returns)』は、オーブリーの本と同年の1931年に発表された60ページくらいの中篇である。あ…
名士小伝 (冨山房百科文庫)作者:ジョン・オーブリー冨山房Amazon コリアは30歳のときに「ジョン・オーブリーの醜聞と軽信」(1931)という本を出している。「モンキー・ワイフ」という猿と結婚した男の話を書いて読書界の話題を攫った一年後のことだ。むかし…
むかしむかしあるところで、船乗りたちが骨董店で怪しげな壜を買った。店の親父の言うには、その壜には絶世の美女が封じ込められているのだという。船乗りは壜を携え仲間と海に出て行った。そしていざ船上で壜を開けてみると、あにはからんや、出てきたのは…
夏コミ対応が一段落したのでジョン・コリアに戻っています。夏コミと言えば今年はハルヒさんが店番してくれるので買い物の時間はたっぷりあります。それはいいのですが、いかんせん当日は恐怖の二日目、「てにぷり」とか「ぎんたま」とか「はがれん」とかい…
これもけっこう昔の話だ。でも十年はたってないはず。 ラテン文学の泰斗藤井昇氏が逝去された後、都内の洋古書店という洋古書店が「BIBLIOTHECA FUJII」という蔵書印が押された本で埋め尽くされたことがあった。その量も凄かったが言語の種…
もう十年以上昔の話になるが、北沢書店の店頭にジョン・コリアの詩集「Gemini」が格安で出ていたことがあった。たぶんダストジャケットがないとか、フライリーフがちぎれているとか、生田耕作の旧蔵書だったとか、正規の値段をつけるのを躊躇わせる何…