2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

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からくり亭の推し理

なんということでしょう。バカミスの波が時代小説にも押し寄せるというではありませんか。今までのんびりゆったりクラサカ時代小説を楽しんでた老若男女のファンの周章狼狽・悲憤慷慨は一体いかばかりでしょう。思うだに同情の念を禁じえません。その問題作…

新青年堀辰雄

羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集作者:辰雄, 堀彩流社Amazon この本は堀辰雄の初期作品からファンタシー味のある小品を二十二篇集めたものです。今「肺病病みの軽井沢文学なんか読んでられるかいな」と思ったそこのミステリファンのあなた、あなたに…

限度なんですよ

昨日とりあげた作品は戦後まもなく書かれたものだが、作中の事件は昭和十二年に起こったとされている。なぜこの年にしたのか、作者はある対談でこう述べている。「十二年が限度なんですよ。十二年に日華事変が起こっているでしょう。それまでは、わりに自由…

リフレクトする病

何を隠そう、拙訳『探偵ダゴベルトの功績と冒険』の解説は、高山宏『殺す・集める・読む』の影響を受けて書かれたものだ。だからこの本を一度は買って読んだことは確かだ。だが今、その内容は揮発したように頭から消えている。おまけに本までどこかに行って…

『錬金術とルドルフ2世』到来

* * 「どうやら超豪華論集 『錬金術とルドルフ2世』の英語版が、ついにプラハで出版されたようです。ルドルフ2世やルネサンスの宮廷文化に関心のある皆さま、これは必携書です」(2017.1.8日の項)とか、「カラー図版を多数収録した600頁を超える決定版的…

怪談生活

*怪談生活 江戸から現代まで、日常に潜む暗い影 (立東舎)作者: 高原英理出版社/メーカー: 立東舎発売日: 2017/03/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る* 「どうしてツイッターやらないんですか」とたまに聞かれる。この日…

Golden Dawn

新宿の一角にゴールデン街なるものがあるそうだ。マルコ・ポーロ伝えるところのジパングのように黄金の瓦が軒を並べているところなのか、はたまた往時のプラハの錬金術師通りのように怪しげな者たちが秘術の探求に精を出すところなのか、いつとも知れぬ頃か…

『殺す・集める・読む』復刊に寄せて

殺す・集める・読む―推理小説特殊講義 (創元ライブラリ)作者:高山 宏東京創元社Amazon 「推理小説はなぜこの世にあるのか」とか、「現代社会において推理小説はどんな意味を持つのか」とか、「なぜ推理小説は一般大衆に愛好されるのか」とか、そういうたぐい…

騎士団長殺し第二部読了

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編作者:村上 春樹新潮社Amazon第二部も読み終わった。エリアーデの「ホーニッヒベルガー博士の秘密」や稲生平太郎「アムネジア」に通ずるような面白いところがあったので忘れないうちにメモしておこうと思う。その面白…

第二部購入

第二部も今日買ってきた。第一部は読了したが、異能を持つ主人公・いきなり別れを切り出す妻・世俗のシステムを掌握する実業家・セックスフレンド・おしゃまな少女・超自然的存在・などなど、春樹キャラオールスターズ総出演みたいな感じだった。ユングの元…