ルドルフ二世

『錬金術とルドルフ2世』到来

* * 「どうやら超豪華論集 『錬金術とルドルフ2世』の英語版が、ついにプラハで出版されたようです。ルドルフ2世やルネサンスの宮廷文化に関心のある皆さま、これは必携書です」(2017.1.8日の項)とか、「カラー図版を多数収録した600頁を超える決定版的…

新装版表紙

5/5文フリ「春の復刊フェア」で売る新装版の表紙が完成しつつある。 これはエーゴン・フリーデル『タイムマシンの旅』。ふおふおふおふお。かっこいいでしょう(自画自賛)。モチーフはルドルフ二世のヴンダーカマー蒐集品のなかの時計。グロテスク模様がし…

魔術なき魔術

綺想の帝国―ルドルフ二世をめぐる美術と科学工作舎Amazon プラハのルドルフ宮には16世紀から17世紀にかけてのヨーロッパの精神史的展開が集約されている。その点でこの『綺想の帝国』は、エヴァンスの『魔術の帝国』と見解を同じくしている。しかしこの本に…

金曜日ラビは拝謁を賜った

魔術の帝国―ルドルフ二世とその世界〈上〉 (ちくま学芸文庫)作者:ロバート・J.W. エヴァンズ筑摩書房Amazon アマゾンで見たら元版(1988)はおろか文庫版(2006)さえ品切。今の文庫は3年くらいしか寿命がないのか。それはともかく、この『魔術の帝国』はルドル…

木曜日ラビは魚臭を嗅いだ

Magic Prague作者:Ripellino, Angelo MariaPicadorAmazon 「人生のたそがれをかの地で過ごすことを望んでもよかったはずだ。でもプリツバテスキのように、あるいはリリエンクローンのように夢は萎れた。樹木さながらに根付いていたはずのあの地と僕とのつな…

水曜日ラビは迷夢を解いた

*The Follies of Science at the Court of Rudolph II: 1576-1612作者: Henry Carrington Bolton出版社/メーカー: Nabu Press発売日: 2010/01/02メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る* ある冬の夜、炉端で物思いにふけるラビ・レー…

月曜日ラビは太陽を止めた

*Yiddish Civilisation: The Rise and Fall of a Forgotten Nation (Vintage)作者: Paul Kriwaczek出版社/メーカー: Vintage発売日: 2006/10/31メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る* ラビ・レーウ(1513−1609)はルドルフ2世(1552…

もういないルドルフ2世

ボディ・クリティシズム―啓蒙時代のアートと医学における見えざるもののイメージ化作者:バーバラ・M. スタフォード国書刊行会Amazon 「ボディ・クリティシズム」はただいま第四章を読み中。ここらへんに至って、ようやく著者の言わんとするところが朧ろに見…

『夜毎に石の橋の下で』

ルドルフ2世時代のプラハを舞台にした連作短編集にして、おそらくペルッツの最高傑作のひとつ。王ルドルフ2世とユダヤ人の裕福な商人モルデカイ・マイスル、それに「偉大なるラビ」を中心人物として、錬金術師・宮廷画家・道化師・武人などが入れ替わり立…