西崎憲

『本の幽霊』

先週洋書まつりに行ったついでに東京堂書店をのぞいたら西崎憲さんの新刊『本の幽霊』があった。奥付によれば9月30日の発行だったそうだが、不覚にも全然知らなかった! 冒頭の短篇「本の幽霊」の語り手はむかしロンドンの幻想文学専門古書店から届くカタロ…

本邦初訳じゃないでしょ

ツイッター情報によれば綺想社というところからキラ=クーチの短篇集が出るらしい。「よしとに on Twitter: "アーサー・キラ=クーチ幻想綺譚集 壱『黒い鏡』 発行 : 綺想社 価格 : 5,000円 販売開始日:2022年7月3日 平井呈一も、愛した名匠 "Q"「魔法の影法…

なんでもするわ

この年になると視力の衰えは避けられない。先月チェックを終えたゲラの版面は、ページ数のフォントをやけに小さくしたデザインだった。もちろん目を凝らせばわかるのだけれど、一目では読みとれない。やれやれ~。 先日読んだヴァージニア・ウルフの『青と緑…

たべおそ7

文学ムック たべるのがおそいvol.7作者: 斎藤真理子,岩井俊二,銀林みのる,櫻木みわ,飛浩隆,西崎憲,松永美穂,小山田浩子,高山羽根子,柳原孝敦,熊谷純,佐伯紺,錦見映理子,虫武一俊,梅?実奈,東雅夫,チョン・ミョングァン,ハイミート・フォン・ドーデラー,吉良佳…

小児十字軍

この前西崎憲さんとお会いする機会があった。西崎さんは締切に追われて大変そうだった。その席で西崎さんはH.H.エーヴェルスのある短篇の話をしてくださった。それを聞きながらなにかひっかかるものがあったのだが、あとからふと気づいた。あれはシュオッ…

音叉小説

飛行士と東京の雨の森作者:西崎 憲筑摩書房Amazon 雨の日にしか読んではならぬ本だそうだ。晴れた日にページを繰ると、名状しがたい災厄が起こるという。幸いにもここ数日の天気の崩れのおかげで、ようやく手にとれるようになった。巻頭は詩的な「理想的な月…

Lament for a maker

ゆみに町ガイドブック作者:西崎 憲河出書房新社Amazon あるいはウィリアム・ダンバーにならって、makersと複数にしたほうがいいかもしれない。なぜならここには詩を求める作家と、それから橋やモノレールを作ったり消したりしている人と、二人の「作る人」が…