2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

今を生きるコリア

ナツメグの味 (KAWADE MYSTERY)作者:ジョン コリア河出書房新社Amazon そろそろ『ナツメグの味』が書店に並びはじめるころだ。神保町の書泉グランデにはもうあった。三省堂にはなかった。東京堂はすでに閉まっていた。わたしの訳はまあアレだけれども、他の…

"Je est un autre."

id:rentoさんの日記で、"Je Voit Tout / Flyboys"という映画のことを知った。てっきり誤記かと思ったら、どうやら本当にそういうタイトルらしい。いやはやフランス語は難しい……。日本語で言えば「だらよ」みたいなものなのだろうか。わたしはすべてを見てい…

壺中のミニチュアール

赤坂ですぺらがいよいよ本格始動をするらしい。オープンは11月23日……というと勤労感謝の日ですか。えーとこれは何かのギャグなんでしょうか? あのくらい「勤」とか「労」とかが似合わない店もないんじゃないかと……。それはともかく、胎道めいた暗いエレベー…

「ぺガーナ・ロスト」大放出!

こんどの日曜の文学フリマでは、西方猫耳協会さんのご厚意で、ダンセイニ・ファンジン「ぺガーナ・ロスト」の残部僅少なバックナンバーを販売することになりました。 われと思わんダンセイニ萌えの諸氏は、「エディション・プヒプヒ」へぜひお立ち寄りくださ…

文フリで全プレ

今度の日曜、11月11日に秋葉原の文学フリマに行くとこんなものが無料で配布されるようです。 ↑(画像は開発中のものです)↓ くわしくはこちらに。 (追伸)Mさんもぜひぜひ戻ってきてほしいなり。

「私の男」をめぐって5(σ加法族の巻) 

私の男作者:桜庭 一樹発売日: 2007/10/30メディア: 単行本 ここらで「私の男」で使われている技巧に話をもっていこう。 まず、時間が流れる、というのはどういうことか。それは情報量が増えるということだ。(時間は流れないと言ってる人も広い世の中にはい…

コミケ当選

12/30(日)東V04a今回はミステリの島のはずです。なにとぞよろしく〜。 委細はおってまた発表します。

「私の男」をめぐって4(遅刻魔の巻)

私の男作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/30メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 442回この商品を含むブログ (447件) を見る とここまで来れば、ヒロインが遅刻魔であることも、意味のない設定ではないことに気づくはずだ。 おっ今日…

「私の男」をめぐって3(カメラオブスキュラの巻)

私の男作者:桜庭 一樹文藝春秋Amazon ことほどさように時間の仕掛に技巧がめぐらされているこの作品であるが、ここにもうひとつの仕掛がある。いうまでもなくそれは、昔のカメラ・オブスキュラ(幻灯)の発展形であるところのカメラと、それから、真正のカメ…

「私の男」をめぐって2(マイナス・ゼロの巻)

私の男作者:桜庭 一樹文藝春秋Amazon 「私の男」では時間は逆行するばかりではない。どうやら循環もしている。第一章でのヒロインの年齢が24歳、そして最終章での「私の男」の年齢が25歳なのは偶然ではあるまい。人によってはドン引きする「おかあさぁん」も…

「私の男」をめぐって1(種への旅の巻)

私の男作者:桜庭 一樹文藝春秋Amazon 時系列の扱いとテーマからは夢野久作の「瓶詰の地獄」を連想させる。しかしそれはもちろん外見上の類似にすぎない。より本質的に通底しているのはカルペンティエールの「種への旅」だろう。時系列に沿ってストーリーをた…