confidential agent

ここ何日か、謎の黒猫の来訪を受けている。帰宅してドアを開けようとするとかならず隅にいる。毛並みがつややかで、こちらが近づいても逃げようとせず、もの問いたげなまなざしを向けてくる。その落ち着きは野良猫にはないものだ。どこからか逃げてきたのだ…

猫の力

ファイン/キュート 素敵かわいい作品選 (ちくま文庫)筑摩書房Amazon 猫のチカラ - 佐竹 茉莉子さんの『道ばた猫日記』にこんな話が紹介されている。あるところに86歳のおばあさんがいた。認知症が進行して周囲に無反応になり、「首をうなだれて座っているだ…

亀鳴くや

怪奇文学大山脈 (1) (西洋近代名作選 19世紀再興篇)発売日: 2014/06/28メディア: 単行本 翻訳をしていて、「そのとき*のように大きな猫が現われた。」みたいな文に出くわしたとする。ところが「*」の単語の意味がわからない。もちろんそんなときは辞書を引…

Nという町で

C線でちょっと郊外に出たところに、Nという町がある。この町からは真偽不明の不思議な噂がいろいろと漏れ伝わってくる。獰猛な猫が人を襲うとか、道のまんなかに象が浮くとか、ラーメンにパイナップルを入れて食べるとか、行列の絶えぬ洋食店があるが、どん…

FANTAST

FANTAST最新号を恵送いただきました。ありがとうございます。これが表紙。なかなかおしゃれです。これが目次。あえて何も言うまい。また西荻からメールが来た。「フニャーニャニャニャ、ニャニャニャニャニャ!(俺に逆らう奴は、身内といえどすべからく病院…

羅甸語は分ってるが、何と読むのだい

吾輩は猫である (岩波文庫)作者:夏目 漱石岩波書店Amazon イルメラ=日地谷・キルシュネライトの編纂する独訳版日本文学叢書には『吾輩は猫である』も入っている。訳者はオットー・プッツという人だ。ドイツ人の翻訳にまま見られる過度な正確さは感じられる…

いまどきの魔術 〜Recent Sorceries〜

猫路地日本出版社Amazon 「かねて猫好きで知られる作家の皆さんに、既成の辞書には存在しない架空の猫熟語を自由に思い浮かべていただき、それにちなんだ短い物語を書き下ろしてもらったら如何だろう」(本書解説より)――これだけの縛りをもとに集まった作品…

伊藤人誉「人誉幻談 幻の猫」(亀鳴屋)

もうずいぶん前に読んで、感想を書こう書こうと思いながら、機を逸してしまった本です。ぼやぼやしているうちに、いろいろWeb上で書評が出てきました。なかなか好評なようで拙豚も嬉しいです。とりあえず遇目したもののみリンク(順不同) 「幻の猫」書評リ…