2008-01-01から1年間の記事一覧

恐怖の写真展

『幻影城の時代』は、あいかわらず物凄い勢いで売れているらしいです。その余勢をかってか、編者の本多正一さんの写真展が開催されます。銀座のGallery Bar Kajimaにて、明年1/26 - 2/14まで。 刊行記念イベントとして 2月7日(土)には、竹本健治×シンポ教授 …

『冠詞』の復刻によせて

冠詞 復刻版 第1巻 定冠詞篇作者:関口 存男三修社Amazon「ドイツ語の神様」関口存男の天下の奇書『冠詞』が復刻された。彼の著書の中でおそらく唯一読んでいない本だ。なにしろ天下の奇書であるからして一冊五万円は決して高くはない。ただ自分に残された時…

時の門を閉じる

広瀬正・小説全集・5 T型フォード殺人事件 (集英社文庫)作者:広瀬 正集英社Amazon この本に収められた「立体交差」は広瀬SFの掉尾を飾る名作、と昔から言っているのだがいまだかって賛成してくれた人はいない。しかしこの短篇に描かれたSF(というよりタイム…

『乱世綺譚集』版元在庫なくなる

藤原編集室のサイトが紹介してくださったこともあって、『乱世綺譚集』の版元在庫はなくなりました。コミケにも出せません。あとはマルドロールさんにあるだけです。それから今週金曜日にですぺらにも何冊か持っていくつもり。ただしですぺらの方は限定150部…

この本の名は?

ぽんこつ喜劇作者:浅暮 三文光文社Amazon 傑作だがどんな本か説明しろといわれるとたいそう困る。グレさんはどこまで行くのであろうか。 裏表紙見返しにこう書いてある。 【問題】 この本の正しい著者名を選べ。 1.林不忘 2.牧逸馬 3.谷譲治 よ、4番…

完全版といえば

『幻影城の時代 完全版』はもう書店に並んでいるようですが、ロミの『突飛なるものの歴史 完全版』もいよいよ来年の春頃に出るそうです。初期澁澤龍彦の情報源の一冊として有名な本。 膨大な数の複雑怪奇な図版が足をひっぱりここまで刊行が遅延したとか。………

モダン・シュニッツラー

儚い羊たちの祝宴作者:米澤 穂信新潮社Amazon かってこの作者の一連の作品を「理想の女」の探求としてとらえたことがある(→ここ)。この最新作でもやはりその「理想の女探求」に一段の磨きがかかっていて、手に汗を握らずには読めない。 描写の丹念さといい…

つられて動く猫耳

* 明後日は都内某所で開催されるぼたん鍋に参戦予定。まだ人数に余裕あるはずなのでわれと思わん方は参戦されたし。 * 古書肆マルドロールさんから嬉しいお知らせ。 『乱世綺譚集』、半数+α売れていますので、追加を お願いします。*0部ほど大丈夫でし…

噂の真相

最近ドイツ語訳が出たレム書簡集。ぱらぱらめくっていたらP.K.ディック宛書簡があった。なんでもレムの肝いりでポーランド語訳されることになった『ユービック』が金銭関係でもめたらしい。レムは釈明にこれ努めているが、この頃のディックにはヴァリスから…

待望の刊行

*金剛石のレンズ (創元推理文庫)作者: フィッツ=ジェイムズオブライエン,Fitz‐James O'Brien,大瀧啓裕出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/12メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 7回この商品を含むブログ (21件) を見る* 大昔にサンリオSF文庫から出…

ぺガーナロストNo.12

* ということで今月のコミケで久しぶりにぺガーナロストの新刊が出るようです。 * 12月28日(日)西き25a「西方猫耳教会」 「PEGANA LOST Vol.12」1000円 【連載第一回】『ドネラン講義録 一九四三年』――芸術の三つの形態 第一部「散文」 稲垣博訳 ロード・…

マルセル・シュオブ『乱世綺譚集』通販開始!

* 今日古書肆マルドロールさんに本を送りましたので、来週には販売可能となっていると思います。 * 定価は800円。表紙・中身ともちょっといじってるので、通販分は初版ではなく初版微修正版です。でも部数は通算で150部にするつもり。各冊ナンバー入りでNo…

『幻影城の時代 完全版』

* 幻影城の時代 完全版』、満を持していよいよ今月半ばに出版の運びとなるようです。 目次はこちらで発表されています。 * 版形は普通の四六版よりかなり大きくて、全664ページ。しかもものすごい豪華箱入り。どうみても『探偵小説四十年』(初版)とタメ…

人騒がせな本国版EQMM

*ミステリマガジン 2009年 01月号 [雑誌]出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/11/25メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る* 届いたばかりのミステリマガジンをめくっているうちに、うおっと驚いて椅子から立ち上がっ…

ドイツ版EQMMの混沌

*Bibliographie der Kriminalerzaehlungen: 1948 - 2000作者: Dieter Kaestner出版社/メーカー: Baskerville Buecher発売日: 2001/11メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る* バスカービル書房から「短篇探偵小説書目1948-2000」が届…

驚異のシュオブサイト

Z君に教えてもらった「マルセル・シュウォッブ拾遺」。特に博識な解説が圧巻です。 * 大修羅場中。ああ早く終えてですぺらで酒が飲みたい。 * 後ろで鳴っているのはリシャール・ピナス"Rhizoshere/Live, Paris 1982"。

文学フリマで売るもの

いよいよ明後日に迫った文学フリマの販売物一覧です。 えらくたくさんあるので売り台に並べきれないかもしれません。ご希望の本が見当たらない場合は声をかけてください。 エディション・プヒプヒ 既刊各種 *ただし「平井功譯詩集」とレム「発狂した仕立屋…

Last seen writing

毎年必ず失踪者が出るので有名な「クラシック・ミステリのススメ」執筆陣。 今 年 も や は り 出 て し ま っ た! ○| ̄|_ ということで心当たりのある者は至急連絡乞う。

勝手に宣伝

●「別腹」6号 販売イベント情報 11月9日「文学フリマ」:スペースB-43 「山羊の木/海岸印刷」にて 12月14日「28回西荻ブックマーク /超短編の世界」にて 目次 ●表紙イラスト・安藤環 ●〈短歌〉夜の郵便局/佐藤弓生&本田瑞穂 ●〈エッセイ〉私のニ…

表紙入稿!

* * マルセル・シュオブ『乱世綺譚集』 エディション・プヒプヒ(ビブリオテカ・プヒプヒ No.8) 限定150部記番 予価700円 11/9(日) 文学フリマにて初売。 * 青と白が基調のカラーはさりげなく南柯書局版全集のリスペクトであります。 *

持込厳禁の書

"Borges, Obras Resenas Y Traducciones Ineditas"という本は、いままで単行本化されていなかったボルヘスの短文を集めていて、その中にシュオブの翻訳が二篇入っている。(『架空の伝記』所収の「セプティマ」と「バーク・ヘアー両氏」) こんな断簡零墨ま…

えんだかえんだかたのしいな

株価がとんでもなかったり経済の先行きが暗かったりするけれど、それはそれとしてユーロが140円を割ったのでいそいそとAmazonで買い物。 まともに本を買うのは久しぶりのような気がする。

ダンセイニファンの方に朗報

* ネット古書店の古書肆マルドロールで西方猫耳教会本の取り扱いが始まりました。今購入可能なのは以下の5タイトル PEGANA LOST vol 9 自伝抄訳/稲垣博 論考/小野塚力他 117頁 別刷付 2004/8/14 1,000 PEGANA LOST vol 10 自伝抄訳/稲垣博 論考/神谷僚一/…

どう見ても『春と秋の奏鳴曲』です

*夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)作者: 麻耶雄嵩出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/08メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 170回この商品を含むブログ (97件) を見る* 事情あって、書庫の隅で埃をかぶっていたジョン・ファウルズの『魔術師』を探し…

太っ腹〜

* いまWildSide Pressで3冊以上買うと30%ディスカウントだそうです。期限はハロウィーンまで。 * ここで出してる怪しげな本をいくつかピックアップすると、 発狂したアラブ人アブドゥル・アルハズレッド(a.k.a.アルハザード)の『アル・アジフ』 R.E.ハ…

矢野目訳は名訳である

矢野目源一訳『黄金仮面の王』をひさしぶりに読み返す。今回気づいたのは「である」の多用。はなはだしいときにはこんな文章が出てくる。 ……皆上甲板の欄干にもたれてこの新しい陸地を眺めながら、かれらの眼は怪しく震えたのである。 あらゆる国から、あら…

おおかみなりよ どじんにまけるとはなさけない

*奇談異聞辞典 (ちくま学芸文庫)作者: 柴田宵曲出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/09/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (18件) を見る* 『奇談異聞辞典』は小蛇が昇天したところまで。まだまだ先は長い。 いままで読ん…

ビクトリア・オカンポのこと

Victoria Ocampo: Writer, Feminist, Woman of the World作者:Ocampo, Victoria,Steiner, Patricia OwenUniv of New Mexico PrAmazon 皆さんはビクトリア・オカンポをご存知だろうか。そう、ブエノス・アイレスで文芸誌「エル・スール」を創刊し、ボルヘスら…

ゆとりの弊害とか

奇談異聞辞典 (ちくま学芸文庫)筑摩書房Amazon 旅芸人の一座を乗せた船が西国にくだる途中で暴風にみまわれ、いずことも知れぬ岸辺に漂着した。しばらくすると一行のまわりにわらわらと無数の猿が集まってきた。なかに人間より少し大きいくらいの老猿がいて…

河童をこえて狐のふもとまで

奇談異聞辞典 (ちくま学芸文庫)筑摩書房Amazon 「お」の部がはじまってまもなく、鸚鵡石を越えたあたりで、「大あわび」「大蚊柱」「大亀」「大鯉」「大鳥」「大鳥人を掴む」「大入道」「大猫の怪」「大鼠」「大むかで」「大山伏」とやたらに大きなものが続…