文学フリマ大阪御礼


 

昨日の文学フリマ大阪に来てくださった方々、どうもありがとうございました。主催者の発表によると今回の入場数は四千人を上回る過去最高になったとのこと。なにしろ一時間前から開会を待つ人々が長蛇というもおろかな、はるかに延々と続く列を作っていたのですよ。会場整理に大わらわだったスタッフの皆さま、お疲れさまでした。

「ふっかつのじゅもん」を唱えて作った再刊本は十四冊が一時間ほどで完売。まさかこんなに人気があったとは、と驚きました。山羊に食わせるほど作った新刊もおかげさまで半分くらい売れました。大阪の人たちの度量に感謝です。会場でほとんどの方がマスクをつけているのにも感心しました。退屈のあまり乳母車から足をのばして展示品をつんつんしている幼児とか面白い見ものもありました。

維新とか万博の悪口を言ったら命の保証はないという、まるで田中哲弥の『やみなべの陰謀』(名作!)第四話のような感じに大阪はなっているという噂も事前に聞いていました。まさかそれはないにしても「万博を成功させよう!」といった垂れ幕やのぼりがあちこちにあるのかなと思ったら、まったく予想は外れて、むかし訪ねたいつもの大阪のままでした。……電通が関与できなかったための怪我の功名かもしれませんが、オリンピック時の東京がいかに異常だったかを思い知らされました。

東京のオリンピック騒ぎで一番憤ったのは、丸善丸の内本店2Fのレジがオリンピックグッズ専用になってしまって、本の会計をする客は1Fか3Fに行かねばならなかったこと。あの日から丸の内本店で本を買わないようになりました。