ラフカディオ・ハーン

『幽霊島』の刊行に寄せて

幽霊島 (平井呈一怪談翻訳集成) (創元推理文庫)作者:A・ブラックウッド他東京創元社Amazon あなたが一流のレストランに行ったとしよう。コースを一通り堪能し、コーヒーを啜りながら、「ああ美味かった」と味を反芻しているとしよう。そんなときシェフが不意…

空虚な虚(うろ)

日本怪奇小説傑作集1 (創元推理文庫)作者: 紀田順一郎,東雅夫出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2005/07/08メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 18回この商品を含むブログ (40件) を見る まだ最初の数編しか読んでいないが、巻頭にハーンの「茶碗の底」を持…

ゴシックよもやま話(5)『幽霊屋敷 (開巻驚奇 龍動鬼譚)』

ハーンが「英語で書かれた最上の怪談」というブルワー=リットン「幽霊屋敷」であるが、これは創元推理文庫「怪奇小説傑作集」の第一巻巻頭に収録されている。しかし、この巻には『ポインター氏の日録』『パンの大神』『緑茶』『猿の手』『炎天』『秘書綺譚』…

ゴシックよもやま話(4)『「モンク・ルイス」と恐怖怪奇派(小泉八雲)』

小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは、1896年から7年間にわたり東京帝国大学教授として英文学を(もちろん英語で)講義していた。その講義録が恒文社版新著作集の6-13巻に収められている。全15巻の新著作集の過半を占めるという大変な分量であり、自らの知見を…