ドグラ・マグラ

エラリーより名探偵

『記憶の図書館』は発売日を待つだけになり、もう一つの長篇(「君は貴族社会を生き抜くことができるか?」みたいな話)のほうも訳了したので、ヤレヤレとほっとして ずっと積読にしていた『エラリー・クイーン 創作の秘密』を手にとった。とりあえず『九尾…

「光輝故(ゆえ)なくしては」

【「新青年」版】黒死館殺人事件作者:小栗 虫太郎作品社Amazon かつて都筑道夫はポケミスのあとがきで『ドグラ・マグラ』を、「狂人の主観を通して狂人をめぐる一事件を書いたもの」と評したことがあった。でもこれは『ドグラ・マグラ』にかぎらない。いわゆ…

百科事典=小説

訳者解説によれば『ゼーノの苦悶』の原題を直訳すると「ゼーノの意識」となるそうだ。なるほどこれなら分らぬでもない。「ゼーノの苦悶」という邦題の落ち着きの悪さは――たとえば『ドグラマグラ』が外国語に翻訳されて『呉一郎の苦悶』と題されたらどうだろ…

お兄さま文庫化

紙葉の家作者:マーク・Z. ダニエレブスキーソニーマガジンズAmazon フランス語版ドグラマグラがいつのまにかポケット版ペーパーバックになっていました。元版はもう品切れだけれどアマゾンフランスで5つ星。この元版には「二十世紀文学の一大事件」とかえら…

脳髄はものを考えるところか?

ボディ・クリティシズム―啓蒙時代のアートと医学における見えざるもののイメージ化作者: バーバラ・M.スタフォード,Barbara Maria Stafford,高山宏出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2006/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブ…

ケルベロス第五の首(昨日の続き)

最後まで読んで驚いた。手記やらインタビューや物語らの断片を入念に(時系列を乱しつつ)構成し、もって物語の迷宮を作り出す手法は、これはそのまんま「ドグラ・マグラ」ではないか・・・。で、作品のテーマも拙豚の見るところ、「ドグラ・マグラ」とかな…

ケルベロス第五の首

今日は第一話だけ読みました。これはドグラ・マグラではないだろうか? 二人の博士に翻弄される少年。博士は少年を一種の実験材料にしているらしい。そして少年は自分が誰だか分かっていない。博士の息子か、それともアボ(先住民)が化けているのか、それとも…

grand-frere, grand-frere, grand-frere, grand-frere...... grand-fre-ee-e---re...... (お兄様、お兄様、お兄様、お兄様……おにいさまアーッ……)

藤原編集室『本棚の中の骸骨』の中の 坂本浩也氏の「フランス・ミステリ通信2」にフランス語版ドグラ・マグラ ISBN:2877306453 のことが書いてあった。拙豚もつい最近、2ちゃんでこの翻訳の存在を知ってあわててAmazonに注文したところだ。 訳文の一部はフ…