2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『真夜中の伝統』と『金狼』

数人の男女に文面が同じ手紙が届く。「これこれの時間にどこそこに来てください」と書いてある。そして行かざるをえなくなるようなことも書いてある。たとえば「あなたは遺産の相続人になりました」とか、あるいはある種の恐喝であるとか。そのように集めら…

ハンチバック

今回の芥川賞は市川沙央氏の『ハンチバック』という作品に決まったという。おめでとうございます。それとはまったく関係ない話だが、このハンチバック (ドイツ語のBucklige) という言葉ほど翻訳するときに困る言葉はない。このことは『イヴのことを少し』を…

ベルギーのペルッツ?

ベルギー幻想小説の世界は、ジャン・レイやトマス・オーウェンなどごく一部を除いてはまだまだテラ・インコグニタが広がっている。つまり本邦未紹介の作品がやたらに多い。それでもワロン語(≒フランス語)圏はまだましで、フラマン語(≒オランダ語)圏とな…

矢野目源一「ゆりかご」発掘

2007年にエディション・プヒプヒから出した矢野目源一の歌集『搖籃(ゆりかご)』が、まだけっこう在庫(売れ残りともいう)が残っていることが判明。どこかに通販をお願いするか、それとも文学フリマに出すか、いま考え中です。

『すばる』の『テュルリュパン』評

『本の雑誌』の「図書カード三万円使い放題」で『テュルリュパン』を買ってくださった佐藤厚志氏が、『すばる』7月号の「読書日録」でこの本を評してくださいました。「前半のドタバタコメディから上流階級の陰謀まで一冊に凝縮させる巧みな構成と演出に舌…