2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

エラリーより名探偵

『記憶の図書館』は発売日を待つだけになり、もう一つの長篇(「君は貴族社会を生き抜くことができるか?」みたいな話)のほうも訳了したので、ヤレヤレとほっとして ずっと積読にしていた『エラリー・クイーン 創作の秘密』を手にとった。とりあえず『九尾…

夏休みの宿題 (ほとんど) 終わる

今日とある長篇の翻訳を送稿して、夏休みの宿題が (ほとんど) 終わりました。「ほとんど」というのは、まだちょっと残っているのがあるのですね。 それにしてもコロナのせいで終日家にこもっていると恐ろしく仕事がはかどるものです。一か月足らずで長篇の翻…

註の数

www.youtube.com Youtubeにアップされた『七つの夜』の元講演と後に書籍化されたテキストを比べると、あちこちで細かな推敲がなされているのがわかる。たぶんこの時期 (1970年代) にはボルヘスは自分で校正刷りをチェックしていたのだろう。だが1985年に一冊…

大宇宙の危機

これは8月23日の日記の続きです。 むかしむかし、某社のバラード短編全集のどれかの巻で、スケジュールが押せ押せになって、編集部総出でようやく地球の運命が救われたことがあったそうです。しかし今回のボルヘスのケースはさらにすごくて、5月出版の契約…

また佐野洋を読んだ

また佐野洋を読みました。というと「お前は佐野洋しか読むものはないんか~」と呆れられそうですが、いい意味でも悪い意味でも後を引かない、読んだらすぐに忘れられる(というとけなしてるようですが褒めてるんですよ。すくなくとも読後嫌な後味が残る本に…

『記憶の図書館』アマゾンで予約開始

記憶の図書館: ボルヘス対話集成作者:ホルヘ・ルイス・ボルヘス,オスバルド・フェラーリ国書刊行会Amazon 『記憶の図書館』のアマゾン予約がはじまりました。国書税厳しき折、恐縮ですがなにとぞご自愛を、じゃなくてもしよろしければ購入していただければと…

『記憶の図書館』カバー公開

山田英春氏のツイッターでボルヘス+フェラーリ対話集成『記憶の図書館』のカバーが公開されました。対談相手をつとめたフェラーリ氏もこのカバーを見て、「とてもオリジナルで美しさにあふれたカバーだ。東洋からのまたとない贈り物だ。カバーの真ん中にあ…

キャベツのようなもの

生の館作者:マリオ・プラーツみすず書房Amazon もしあなたの奥さんが薔薇の花の刺繍をしていて、しかしできあがったものが薔薇よりキャベツに似ていたとしたら、あなたはどうしますか。たぶん何も言わないのが家庭の平和のためにはベストだと思いますが、わ…

夏のクラシック怪奇小説フェア

三省堂書店神保町本店二階では今「夏のクラシック怪奇小説フェア」が開催中です。これを選書した人はきっとかなりのマニアだな……日本作家では高原英理さんの本だけがあるのが渋いではないか……と思いながら並んでいる本を見ていたら、版元品切増刷未定になっ…

クラサカ風の館

生の館作者:マリオ・プラーツみすず書房Amazon 倉阪鬼一郎さん、日本歴史時代作家協会賞受賞おめでとうございます! 今日はそれを祝してクラサカ風の館の話をしましょう。 倉阪さんのミステリの中には「立派な館かと思ったら実は〇〇だった」というのが何冊…

ワクチン二回目

昨日19時にワクチン(ファイザー)の二回目を打った。それからもう24時間経過したが腕が痛いほかは副反応らしい副反応は(少なくとも現時点では)出ていない。多くの人に出るらしい倦怠感も発熱もない。まあでも倦怠感が出たということにして今日一日は翻訳…