2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

文学フリマ収穫(その4)

その4は「サメねえちゃん」でおなじみのサメンバーさん待望の新刊です。なんと『サメンバーレポート』#4は「表記ゆれ」という肺腑を突く特集なのです。ここでは表記ゆれは校正の立場からではなく言語学的に考えられています。「あることばで表記ゆれが観…

文学フリマ収穫(その3)

その3はサークル「管弦楽団 響」さんの「クラシック冥曲案内 ハズす側の論理 ハース版最終稿」。アマチュアオーケストラで活躍されている方の本です。軽妙な文体でクラシックの名曲と名盤を紹介しています。執筆者の一人のお嬢さん(表紙画担当、通称画伯)…

文学フリマ収穫(その2)

文学フリマ収穫のその2は、柿内正午さんという方の「プルーストを読む生活」。これは何というか、ひょんなことから『失われた時を求めて』(井上究一郎訳)全巻を買ってしまった青年が、毎日少しずつそれを読みながらしたためている日記です。といっても内…

文学フリマ収穫(その1)

日曜の文学フリマに買い専で参加してきました。収穫その1としてご存知噴飯文庫の新刊。いつもそうですが商業出版してもおかしくないほどのクオリティです。表紙がすばらしいですね。吉邨二郎という人の絵だそうです。どこからこんな絵を見つけてくるのか………

ゲラが紛失する話

エイリア綺譚集作者:英理, 高原国書刊行会Amazon もうすぐ『イヴ』の再校ゲラが来るはずだ。来たら赤字を入れて送り返すのだけれど、こんなときいつも思うのは「これ途中で紛失したらどうしよう」ということだ。わがゲラはたいてい赤字が死ぬほどたくさん入…

わが解説作法

推理小説にはたまに「読者への挑戦」というものが挿し挟まれている。つまり、手がかりはすべて与えたから犯人を当ててみろと作者が読者に挑戦しているのだ。こういう挑戦は受けて立つほうである。紳士たるもの、白手袋で頬をはたかれれば拾わざるをえまい。…

魔界参入

ついにわが陋屋にも到来した美の司祭四人の饗宴! 漏れ聞く噂によれば、白玉楼中で憩っていた澁澤を降霊術でむりやり召喚して作品選択をさせたのだという。えらい迷惑な話のような気もする。たぶん「まあ蔵書目録や伝記の恩もあるからな」としぶしぶ応じてく…