竹本健治

高原英理『精霊の語彙』

高原英理さんの短篇ひとつだけを収めた小冊子を作者の好意により落掌した。なんたる僥倖。この「精霊の語彙」は来月末に出る連作長篇『祝福』の中の一篇なのだそうだ。『祝福』というとなんだかめでたい感じがするが、本のカバー上部に下半分だけ見える漢字…

中井英夫フランスに進出!

これは本多正一さんから教えてもらったのですが、中井英夫の短篇「鏡に棲む男」の仏訳が”La Nouvelles du Japon.com”というサイトに掲載されています。ちゃんと契約を交わした上の訳出といいますから、本格進出といっていいでしょう。この「鏡に棲む男」とい…

ホワットダニット

竹本健治さんがマイ・ホワットダニットという面白い催しをやっている。 このTogetterがやたらめっぽう面白い。でも「何でこれがでてこないんだ!」という古典があったので FF外から失礼します、どころかツイッター外から失礼します。つまりこれ↓ですね。もっ…

閉と開

ウロボロスの基礎論 (講談社ノベルス)作者:竹本 健治講談社Amazon 竹本健治さんの『ウロボロスの基礎論』がこの五月に講談社文庫に入った。なんと今回が初の文庫化らしい。二十年ぶりくらいに読んでやはりこれは傑作であるなあと改めて溜息をついた。本書の…

終刊即創刊

ほよよよ! 幻影城終刊号とは! 「夕潮」の後篇が載るんだろうか。「アガサ・クリスティ殺人事件」のその後はいかに……などとノンキなことを言っている場合ではありません。この恐ろしく充実した目次を見よ! 全424ページというから最盛期の「メフィスト」に…

別れる理由

9/20の日記でヘレン・マクロイの「あなたは誰?」と竹本健治の作品を関連づけた。というのも、このところ竹本を集中的に読んでいるから。そのつながりでビュトールの「時間割」と小島信夫の「別れる理由」にもチラリと目を通した。この二作はどちらも「ウロ…

マクロイ「あなたは誰?」

あなたは誰? (ちくま文庫)作者:ヘレン マクロイ発売日: 2015/09/09メディア: 文庫 こいつは凄いですよ! もしかすると読者を選ぶ作品なのかもしれませんけれど、すくなくとも竹本健治のある種の傾向の作品、たとえばゲーム三部作の愛好家には絶対のお勧めで…

大いなる回帰

ウロボロスの純正音律作者: 竹本健治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/09/22メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (48件) を見る 90年代ミステリベスト3といえば、これはもう言うまでもなく、1.ウロボロスの偽書 2.夏と冬の奏鳴曲 …