虫太郎

小栗虫太郎の家庭小説

小栗虫太郎の未発表小説が発見されたというので、さる界隈は蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。NHKの「おはよう日本」でとりあげられることは事前に本多正一さんに教えてもらっていたのだが、あいにくわが陋屋にはテレビがない。正確にはテレビを置く…

マクロイを愛す

牧神の影 (ちくま文庫)作者:マクロイ,ヘレン筑摩書房Amazon悪意の夜 (創元推理文庫)作者:ヘレン・マクロイ東京創元社Amazon ヘレン・マクロイが好きだ。海辺まで走っていって、「好きだよー!」と叫びたくなるくらいに好きだ。だからここ最近のマクロイの新…

自分で書いてて分からないんですが

ベルリンからエルサレムへ―青春の思い出 (叢書・ウニベルシタス)作者:ゲルショム ショーレム発売日: 1991/09/01メディア: 単行本 白水Uブックスから近くグスタフ・マイリンクの『ゴーレム』が再刊されるという。実にめでたい。 マイリンク長篇の魅力といえば…

クイーンの定員強し!

*骨董屋探偵の事件簿 (創元推理文庫)作者: サックス・ローマー,近藤麻里子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/05/21メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る* 『骨董屋探偵の事件簿』も重版決定したそうです(情報元)。クイーンの定員強…

痛茶とともに2(黒死館の巻)

日本探偵小説全集〈6〉小栗虫太郎集 (創元推理文庫)作者:小栗 虫太郎東京創元社Amazon 粗製濫造の新書集団に埋もれながらも、クセジュ文庫はいまだに本屋の一角を固守している。頼もしいではないか。ペンギンブックス(青版)を範とした岩波新書を遠い先祖と…

最近もっとも驚いたニュース

「ナポレオン的面貌」の正体が明らかに! おそろしやブック検索。こういう強力なライバルを目にすると、エディション・プヒプヒも負けておられぬと改めて奮起してしまいます。

もうひとつの人外魔境

異人類白書作者:浅暮 三文ポプラ社Amazon コリアの「宵待草」は(あの名作、白倉由美の「デパートのアリス」と同じく) デパートに棲みつく人々の話であったが、コリアの時代よずっと複雑化している現代都市には、デパートと言わず、至る所に人の住み着ける…

『第三の魔弾』

訳者の前川道介氏がこの小説を翻訳していたときは、まだヨーロッパでもペルッツの再評価は始まっていなかったらしい。1920年代にはベストセラーとなりながら、ナチスの台頭以降永らく忘却の淵に沈んでいた彼の小説群は、80年代後半に本国のオーストリアはも…

『神の植物・神の動物』(ユイスマンス・野村喜和夫訳)

神の植物・神の動物―J.K.ユイスマンス『大伽藍』より作者:ジョリ=カルル ユイスマン八坂書房Amazon この本はユイスマンスの大長編「大伽藍」から第10章(神の植物)と第14章(神の動物)を抜粋して一冊にまとめたもの。ちなみに、これらの章は出口裕弘訳の「…