2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

forget-me-not

*昼の家、夜の家 (エクス・リブリス)作者: オルガトカルチュク,小椋彩出版社/メーカー: 白水社発売日: 2010/10/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (25件) を見る* 『ゆみに町ガイドブック』を読みはじめてまもなく、ちょう…

日本で重要な作家なのか

Hell Screen Cogwheels a Fools Life作者:Akutagawa, RyunosukeMarsilio PubAmazonまだまだ続くビオイ日記。なにしろ1600ページ以上あるからねえ。 1957年8月19日(月) シルビーナが彼にアクタガワの短篇を読んできかせる。わたしの示唆によって「藪の中」…

『剣の八』

剣(つるぎ)の八 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:ジョン・ディクスン カー早川書房Amazon引き続きビオイの日記より 1969年8月9日(土) ボルヘスとペイロウとともに家で食事。ボルヘス「ディクスン・カーの『剣の八』を読んだ。これほど博学で創意があって繊細…

五月では遅すぎる

ゆみに町ガイドブック作者:西崎 憲河出書房新社Amazon引き続きビオイの日記より。 1969年4月6日(月) ドイツの出版社より手紙。トルハウゼンの独西辞典のような言い回し。『六つの難事件』の難事件にボルヘスとビオイの序文がほしいと書いてある。四月中に…

よくわからない冗談

ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件作者:ボルヘス,ホルヘ・ルイス,ビオイ=カサーレス,アドルフォ岩波書店Amazon 「伊沢蘭軒」は大正5年6月から大正6年9月にかけて東京日日新聞などに連載された。もちろん大多数の新聞購読者は「毎朝毎朝鷗外先生の麗文が…

P氏も南山壽

引き続きビオイ=カサーレスの日記を読んでいる。今日は1962年2月26日の記述。人の日記を紹介していると毎日の更新が実に楽でいい。 ボルヘスが合衆国から電話してきた。「……ロサンゼルスでアントニイ・バウチャーとテクニックの話をした。彼はとても生き生…

都筑道夫はやはり凄い

都筑道夫 ポケミス全解説作者:都筑 道夫フリースタイルAmazon 引き続きビオイ=カサーレスの日記を読んでいる。こんなことで冬の祭典に間に合うのだろうか。それはともかく、1953年11月18日の項にはこうある。 二人で北アメリカのまぬけな作家たちの一人につ…

推理小説なんかくそくらえだ

Asesinos De Papel (Coleccion Signos y Cultura)作者:Rivera, Jorge Bernardo,Lafforgue, JorgeEdiciones ColihueAmazon 引き続きビオイ=カサーレスの日記より引用(1961年5月28日) "Vea y Lea"のために推理小説について何ページか書く。僕たちは何年も前…

読まずに書評

Borges作者:Bioy Casares, AdolfoDestino S.A. EdicionesAmazon ボ氏推理小説書評集の増強計画はあんのじょう、病膏肓状態に突入し、ついに買ったまま一ページも読んでいなかったビオイ=カサーレスの日記(上の画像の本)にまで手を出すにいたった。これを…

死の扉ついに開く

* 藤原編集室の今日のあぶくによれば、東京創元社の一月以降新刊にレオ・ブルース『死の扉』が入っているそうな。おお、死の扉がついに開くのか! 一月「以降」という表現が若干気にはなるけれど…… *

「(笑)」

伝説によれば、発言の後ろに(笑)とつけるのは、菊池寛が「文藝春秋」誌の座談会ではじめたことだという(真偽未確認)。そもそも座談会を雑誌の売りにしたのは菊池寛なのだから、「(笑)」は座談会の隆盛とともにはじまったともいえよう。だが仮に「(笑…

プロットよりも友情が大事

ボ氏のインタビューより。インタビュアーはオスバルド・フェラーリという人。 妹のノラといっしょに、シャーロック・ホームズの物語を再読したことがあります。それはまるで過去に帰ったようなものでした。というのも、もう何年も前、世界のあちこちで二人で…

マニアが最も恐ろしくなるとき

ボルヘス伝作者:ジェイムズ ウッダル白水社Amazon マニアが最も恐ろしくなるときはいつか。いうまでもない、論争をするときだ。ボ氏の場合も例外ではない。相手は当時ブエノスアイレスにいたロジェ・カイヨワ。彼は当時弱冠二十九歳の新進社会学者で、対する…

世界に羽ばたく十戒

きのう言及した「阪本英明の十戒」はなんと中国語訳もされていた。もちろん知名度ではヴァン・ダインやノックスに劣るだろうけれども、この十戒は予想した以上にインターナショナルなようだ。ちなみに中国語だとこんな風に言うらしい。(第三条はもしかして…

人みな戒律を負う

古くはヴァン・ダインやノックスの時代から、新しくは阪本英明にいたるまで、何人ものミステリ作家が戒律を定めてきた。批評家ならいざしらず、なぜ実作者が、このような自分で自分を縛るようなことをするのだろう。ミステリ作家というのは一種の変態性を有…

新版ボ氏書評集に向けて

というわけで、ボ氏書評集の改訂版に着手。冬の祭典までに完成させることを目標としたい。できれば印刷所で印刷したいが、間に合わなければ徹夜で手製本を作成でもやむをえない。さいわいにして祭典の翌日は休みだから、少々無理をしてもなんとかなるだろう…

いつのまにか/だまされてしまう

何をかくそう、佐野洋が大好きだ。もしかしたら鮎川哲也や都筑道夫より好きかもしれない。鮎川哲也や都筑道夫と佐野洋の差、それはネクタイを締めているかどうかにある。いや、リアル佐野氏がネクタイを締めているかどうかということではなくて、作品の雰囲…

ボ氏

* 誰だったかの小説で、ボードレールのことを「ボ氏」と書いてあったのを見たことがある。「君は、ボオドレエルを掴むつもりで、ボ氏の作品中の人物を、両眼充血させて追いかけていたようだ。」……こんな文章をいまでも覚えているのは恥以外の何ものでもない…

赤き死の消人栓

「消人栓」と称せられる栓はすでに国内の数箇所で見出されているようだが、なかでも専修大学に程近いこの建物の栓はもっとも禍々しいものと伝えられている。なんとなれば、他の消人栓は偶然に生まれたのだが、ここの消人栓は明らかに人の手で、それもおそら…

文フリ御礼

* 今回は餃子にもカラオケにも行かず直帰。 強力無比の女性売り子のおかげもあって、純粋新刊なしにしては驚異的な売り上げでした。買っていただきました皆様どうもありがとう! * あと、売り切れアイテム続出で申し訳ありません! 今回の売り切れ分は増強…

文学フリマ

* おお気がつけば、もう明日は文学フリマではないですか。今回はダゴベルトにかまけていて新刊は出ませんが、去年の倍のスペースを占拠していろいろ並べる予定です。 場所が今回から違うのでご注意ください。会場への行き方はこちらをご覧ください。 * と…

ダゴちがい

*箱ちがい (ミステリーの本棚)作者: ロバート・ルイススティーヴンスン,ロイドオズボーン,Robert Louis Stevenson,Lloyd Osbourne,千葉康樹出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2000/09/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (7…