マッコルラン

『真夜中の伝統』と『金狼』

数人の男女に文面が同じ手紙が届く。「これこれの時間にどこそこに来てください」と書いてある。そして行かざるをえなくなるようなことも書いてある。たとえば「あなたは遺産の相続人になりました」とか、あるいはある種の恐喝であるとか。そのように集めら…

「北の橋の舞踏会」

北の橋の舞踏会・世界を駆けるヴィーナス (マッコルラン・コレクション 2)作者:ピエール・マッコルラン国書刊行会Amazon 『黄色い笑い/悪意』の感想ではついうっかりマッコルランの作風を「出たとこ任せ」などと書いてしまった。これはまったくの濡れ衣だっ…

マッコルラン・コレクション2

待ちに待ったマッコルラン・コレクションの第二巻が出た。今度の表紙は赤天鵞絨である。もしかしたら『黄色い笑い』が黄天鵞絨だったように、集中の「薔薇王」にちなんだ赤なのかもしれない。すると第三巻はどうなるんだろう。タイトルからすれば黒天鵞絨に…

死せる生田生けるプヒ氏を走らす

その後また三日月書店に走り生田旧蔵書を今度は八冊買ってきた。死せる生田、生けるプヒ氏を走らす。 生田といえばある種の人たちには蛇蝎のごとく嫌われているらしい。むかし『東京人』だったかの神保町古書店特集で某老舗古書肆の店主がインタビューされて…

三日月書店に走る

フランス語の入荷がありました。マッコルラン、ジャリ、ドールヴィイなど。 pic.twitter.com/1wUlqCB8md— 三日月書店 Mikazuki Books (@mikazuki_books) 2021年11月5日 何ですとマッコルラン、ジャリ、ドールヴィイですと! まるで某書刊行会のようなライン…

怪作コレクション堂々開幕

まずは帯に目をみはる。どなたが編集を担当されたかは存じあげないが、「天下のシブサワが敬意を表しているのだからお前らも皆こぞって敬意を表するがよい!」と言わんばかりの帯ではないか。もちろん不肖わたくしも敬意を表するにやぶさかではない。はるか…

15歳とかパパイラスの舟とか

アリスの人生学校作者:ピエール マッコルラン学研プラスAmazon パリのラ・ミュザルディヌといえば、毎月おびただしい量のエロ本を精力的に刊行している、フランス書院と富士見ロマン文庫が合体したみたいな版元だ。その出版物のなかにジャン=ジャック・ポー…