誤植

奇しき因縁2

老人といえばもう一つ思い出したことがある。昨年十一月のことだ。もう八か月も前のことなのでそろそろばらしてもかまうまい。その年の九月に出した『記憶の図書館』をめぐって『週刊読書人』で西崎憲さんと対談をした(西崎さん、その節はお付き合いくださ…

『狩場の悲劇』

狩場の悲劇 (中公文庫 チ 3-3)作者:チェーホフ中央公論新社Amazon 登場人物一覧の中の「オーレリア」は「オーレニカ」の誤植だと思う。これはたぶん、「アクセル全開、インド人を右に! 」と似たケースで、(おそらく校正時に)悪筆で書かれた「ニカ」を「リ…

ストルルソンの怪

ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』を読んだ人なら、冒頭近くに「スノッリ・ストルルソン」という「十二世紀アイスランドの有名な著者」の名が出てくるのを覚えておられるかもしれない。ところが岩波の世界人名大事典には、この名が「スノッリ・ストゥルトル…

羅甸語は分ってるが、何と読むのだい

吾輩は猫である (岩波文庫)作者:夏目 漱石岩波書店Amazon イルメラ=日地谷・キルシュネライトの編纂する独訳版日本文学叢書には『吾輩は猫である』も入っている。訳者はオットー・プッツという人だ。ドイツ人の翻訳にまま見られる過度な正確さは感じられる…

アンソリットにはじまる

*完全版 突飛なるものの歴史作者: ロミ,高遠弘美出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2010/04メディア: 単行本 クリック: 20回この商品を含むブログ (9件) を見る* 本書は先に作品社から出た『突飛なるものの歴史』の完訳版である。抄訳特有の(内田百けん流に…

誤植かしらん?(夏コミ本制作記2)

今回夏コミで出すのは復刻本ですが、その原本にところどころ、「これは誤植ではないか?」と疑われる箇所があります。しかしなにぶんにも浅学の身、本当に誤植なのかどうか分かりません。どなたか下のコメント欄にてご教示くださればありがたいです。 夕ざれ…