2013-01-01から1年間の記事一覧

魔造酒が我を呼ぶ

魔酒のお誘いがまた来た!なんと嬉しいことよ。 「矢毒」「探偵の科学」と度肝を抜く特集でわれら猟奇の徒のハートをがしりと掴んだ怪雑誌「ダクダク」。次号の特集は何と錬金術だそうな。これはいやがうえにも期待がつのらざるをえない。賞味期限が過ぎて7…

ドイル手強し

十八時の音楽浴―漆黒のアネット (ガガガ文庫)作者:ゆずはら としゆき小学館Amazonコナン・ドイルの超訳(らしい)『白の団と黒い王子 好きになったあの子の父は決闘マニアの殿様だった』はその後グングン順位をのしてきて、『ボリバル侯爵』を蹴散らすにいた…

まだある、まだある。

* 年末大掃除をしていたら、エディション・プヒプヒでむかし作って、てっきり売りつくしたと思ってた本がいろいろ出てきました。某古書店にささやかな開店祝いとしてプレゼントしましたので、いずれその古書店の棚にひっそりと並んでいることと思います。ど…

好敵コナンドイル

*白の団と黒い王子 上作者: コナンドイル,三輪士郎,小池倫太郎,秋元一剛出版社/メーカー: 笠倉出版社発売日: 2013/12/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る* honto(元BK1)の歴史・時代小説部門で『ボリバル侯爵』が20位にランクイン! …

宿敵丘美丈二郎

*丘美丈二郎探偵小説選〈1〉 (論創ミステリ叢書)作者: 丘美丈二郎出版社/メーカー: 論創社発売日: 2013/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る* 宮崎美子のすずらん本屋堂(11/29放送分)のランキングで『ボリバル侯爵』が9位になった模様…

それなりの理由

* 紀伊国屋新宿南店で『ボリバル侯爵』のPOPに遭遇。自分の訳書のPOPなんてはじめて見たよ。ありがとう、ありがとう新宿南店の中の人! ところで「ナッサウ年鑑」という年鑑がナッサウ考古学・歴史研究協会というところから刊行されていて、その1991年度版…

さまよえるユダヤ人

*ボリバル侯爵作者: レオ・ペルッツ,垂野創一郎出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2013/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (14件) を見る* いわゆる「さまよえるユダヤ人」は、「サラゴサ手稿」「放浪者メルモス」「緑の顔」「悪魔の霊液」など…

一ページごとに闇を

ボリバル侯爵作者:レオ・ペルッツ発売日: 2013/11/22メディア: 単行本ついに販売が開始してしまった『ボリバル侯爵』。主な書店にはすでに並んでいるようだ(たとえば丸善&ジュンク堂の場合はこんな感じ)。ここまで来るともはや「一冊でも多く売れてくれ」…

The Shunned Shop

* 神保町の一角に店を構える某古書店は、訪れるものに災厄をもたらすことで有名なのだそうだ。ある方が昨日ツィッターでそう書いていらした。本を見ているとどこからともなく一対の手が現れて、その本を攫っていったという話もある。都心の一等地ゆえ再開発…

クラニー本消滅の危機

* 10/9のWeird World 3を見てびっくり。なんと倉阪鬼一郎さんの私家版を販売していたマイブックルが近くサービス終了するため、下記の4冊は今月末までに買わないと永遠に手に入らなくなるとか。 * ふるふると顫えながら開く黒い本(第一散文詩集) 何も描…

救われた舌

*三面記事の歴史作者: ロミ,Romi,土屋和之出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2013/09/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る* 本書に掲載されているエピソード。 昨日、12歳の少女が橋の鉄製の欄干をなめていたところ、急に舌がくっつい…

『大地の歌』より

*人生はうしろ向きに (集英社新書)作者: 南條竹則出版社/メーカー: 集英社発売日: 2011/04/15メディア: 新書購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (6件) を見る* Togetterの「後ろ向きな絵手紙」に感銘を受けたので拙豚も描いてみた! 画中の文句…

野蛮でも狩りでもない

*虫けらの群霊作者: パウルシェーアバルト,スズキコージ,Paul Scheerbart,鈴木芳子出版社/メーカー: 未知谷発売日: 2011/10/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る* 各所で話題になっていた「スタフ王の野蛮な狩り」は、ボヤボヤしているうちに見…

年に一度のお楽しみ

*八王子七色面妖館密室不可能殺人 (講談社ノベルス)作者: 倉阪鬼一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/09/05メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る* 待ちに待った年に一度のバカミスがいよいよ登場! 表紙のなんともいえぬ脱力感(←褒め言…

土屋君の近刊

* プシルスキー『大女神』がなかなか出ずやきもきしていたのももう遠い昔になってしまったけれども、なんと寝耳に水なことに『三面記事の歴史』なる面妖なタイトルの本が九月に出るそうな。これを嬉しいと言わずして何を嬉しいといおう。本書の訳者、土屋和…

脱出成功!

* MYSCONは這般の事情により不参加だけど、練習問題は解けたよ! ふおふおふおふお。「辿り着けた方はコメントに書くなり、Twitterなどで「解けた!」と書くなりして、周囲をあおっていただければ幸いです」とあるので、ここにも書いてみました。 ヒント:…

シブサワさんなら喜ぶかも

とある碩学が澁澤龍彦の初期の訳文をこんなふうに批判している。 「外面如菩薩内心如夜叉とは、あたしのことなんだから(tu sais que la fausseté s'allie avec mon masque et mon caractère.)」 澁澤訳は、成句をつかいそこねて原意を伝えず、有害な仏臭さ…

こぶし団地で拾ったもの

歌人・玲はる名さんが古書店古書つくしを開業したというので早速行ってきました。 行き方はとても簡単。中央線国分寺駅から西部なんとか線に乗ってまずは所沢駅か航空公園前駅まで行きます。所沢なら東口から出ている航空公園前行きバスに乗って「こぶし団地…

片付かない気持ち

深泥丘奇談 (MF文庫ダ・ヴィンチ)作者:綾辻行人メディアファクトリーAmazon ミステリ愛好家の端くれとしてはちょっと恥ずかしいことかもしれないのだが、綾辻行人氏の作品のなかで一番好きなのはこの『深泥丘奇談』だ。少し前に『百鬼園百物語』のことを書い…

再版出来

* * 『探偵ダゴベルトの功績と冒険』、再版があがってまいりました。余分に刷っただけ全部無駄になった!などということがあったら洒落にならないというか非常にまずいので、なにとぞなにとぞ皆様、よろしくお願いいたします。 * なお、帯の背は結局初版…

半睡の百物語

百鬼園百物語: 百けん怪異小品集 (平凡社ライブラリー (789))作者:内田百けん平凡社Amazon Telephoneの最初のTが欠けてelephoneになっている。おお、elephone=erehwon! このnowhereの逆つづりほど、百間を端的に示すものがあるだろうか。東京駅の食堂、有…

尊師が空を飛んでいる

*本の雑誌361号作者: 本の雑誌編集部出版社/メーカー: 本の雑誌社発売日: 2013/06/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る* このところ毎月「本の雑誌」を買い続けている。木村晋介氏の連載「新・キムラ弁護士のありふれな…

クラニーの浸透と拡散

*夢のれん 小料理のどか屋 人情帖8 (二見時代小説文庫)作者: 倉阪鬼一郎出版社/メーカー: 二見書房発売日: 2013/05/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る* 本の雑誌7月号を開いて少しのけぞる。「クラニーファンが絶賛する書き下ろしシリー…

アマゾン在庫切れ!

*探偵ダゴベルトの功績と冒険 (創元推理文庫)作者: バルドゥイン・グロラー,垂野創一郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/04/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見る* ダゴベルトはついにアマゾンで在庫がなくなりました(一時的に在庫切れ; …

福袋合宿

* MYSCONの受付がはじまっているようです。ところが現時点では公開可能情報が極端に少ない。いったい何が行われるのか、すべては秘密の帳のなかです。まるで福袋みたいなイベントですね。これが倉阪さんの小説なら、誰も生きて帰れないところですが……。 い…

クイーンの定員強し!

*骨董屋探偵の事件簿 (創元推理文庫)作者: サックス・ローマー,近藤麻里子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/05/21メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る* 『骨董屋探偵の事件簿』も重版決定したそうです(情報元)。クイーンの定員強…

重版決定!

*探偵ダゴベルトの功績と冒険 (創元推理文庫)作者: バルドゥイン・グロラー,垂野創一郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/04/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見る* 『探偵ダゴベルトの功績と冒険』、重版が決まったそうです! * 世紀の傑…

行ったきりにならぬために

人間和声 (光文社古典新訳文庫)作者:アルジャーノン ブラックウッド光文社Amazon おお、気がつけば『ダゴベルト』発売からもう一月近くも経っている! だが今宵は「ダゴベルトいろいろ」の続きはおいといて、光文社古典新訳文庫の新刊『人間和声』のことを語…

ダゴベルトいろいろ(1)

* 『探偵ダゴベルトの功績と冒険』もいよいよ発売が迫ってきました。東京創元社のサイトによれば4/26発売だそうです。それまで宣伝広報をかねて随時よもやま話など書いていきます。 作中でダゴベルトは「使徒ペテロ風の頭(Peterskopf)」をしていると形容…

本格のあかし 

* * 『探偵ダゴベルトの功績と冒険』の表紙が公表されました。装画は磯良一氏、装訂は山田英春氏です。気合の入ったカバーではありませんか。東京創元社が売る気まんまんなのがヒシヒシ伝わってきます。もう地にひれ伏してお礼をいいたい気分です。 * ハ…