国書刊行会

海外で絶讃される国書本

アルゼンチンの代表的日刊紙「クラリン」で、国書版『記憶の図書館』が記事になりました(昨年12月4日付)。アルゼンチン大使館のサイトにもニュースとして出ています。「クラリン」の記事は結構な分量があって、書影も大きく載っていて、この国書版が出たこ…

神保町ブックフリマ2021

きょう開催の神保町ブックフリマ2021の国書刊行会ブースで、『記憶の図書館』が出ていたと風の便りに聞く。そんな~出たばかりの新刊を~値引き販売するとは~あまりにむごい仕打ちでは~と訳者としては思う。そもそも定価で買ってくれた方々に失礼ではない…

『怪奇骨董翻訳箱』風前の灯か?

怪奇骨董翻訳箱 ドイツ・オーストリア幻想短篇集国書刊行会Amazon アマゾンの『怪奇骨董翻訳箱』が在庫切れを繰り返していて、なんとなく版元在庫も切れかけてきたような雰囲気を醸し出しています。『ワルプルギスの夜』に続いてもうすぐお陀仏になる気配が…

怒りをどこに

記憶の図書館: ボルヘス対話集成作者:ホルヘ・ルイス・ボルヘス,オスバルド・フェラーリ国書刊行会Amazon 『記憶の図書館』が高すぎるというお便りをときどきもらいます。しかし、しかしですよ、誰も儲けてなんかいないんです。わたしのもらう印税は微々たる…

在庫大復活! / アンチクリストの誕生

アンチクリストの誕生 (ちくま文庫)作者:ペルッツ,レオ筑摩書房Amazon 『記憶の図書館: ボルヘス対話集成』のアマゾン在庫が大復活いたしました。皆様こぞってご注文ください。「国書の新刊はしょっちゅう順位三桁になっている」(版元談)そうなので、この…

いきなり正誤表が出たっ!

『記憶の図書館』は幸いにして好評で、アマゾンの在庫がアッというまに空になりました。今日明日あたり補充が入るそうなのでなにとぞ注文をお願いします。もちろんhontoや紀伊国屋や楽天などからも注文可能です。ただなにしろ元々の部数が少ないので、早めに…

夏のクラシック怪奇小説フェア

三省堂書店神保町本店二階では今「夏のクラシック怪奇小説フェア」が開催中です。これを選書した人はきっとかなりのマニアだな……日本作家では高原英理さんの本だけがあるのが渋いではないか……と思いながら並んでいる本を見ていたら、版元品切増刷未定になっ…

ジャリ全集いよいよ刊行!

『骸骨』、『人狼ヴァグナー』、『「探偵小説」の考古学』、『マルペルチュイ』、『高原英理恐怖譚集成』と、最近の国書刊行会は重量級の本ばかり立て続けに刊行している。「誰が一番分厚い本を出すか」という社内コンクールでもやっているのだろうか。東野…

さらに一日たつと

さらに一日たつと、倦怠感はなくなり、熱も平熱に戻り、筋肉痛も触れば痛い程度まで和らいできた。すると現金なもので、なんとなくあと20年は生きられそうな気がしてきた。ということは、運がよければレムコレクション第二期の完結をこの目で見られるかもし…

全宇宙待望の新作

今日はひさしぶりに遠出をした。これを贖うために。 漏れ聞く噂によればランボーの『イリュミナシオン』に匹敵する書だという。期待はいやがうえにも高まるではないか。 ところでこの本については某巨大匿名掲示板で次のような興味深いリークがなされている…

予言大的中

マルセル・シュオッブ全集作者:マルセル・シュオッブ国書刊行会Amazon 二か月ほど前のブログで「いつまでもあると思うな国書本」と注意を喚起したら、その言葉が讖をなしたか、なんと本当に『マルセル・シュオッブ全集』が品切増刷未定になってしまった!で…

いつまでもあると思うな国書本

マルセル・シュオッブ全集作者:マルセル・シュオッブ発売日: 2015/06/26メディア: 単行本 朝日新聞夕刊で礒崎純一さんの「編集者がつくった本」の連載が昨日から始まった。漏れ聞く噂によればあの山尾悠子さんまでが宣伝に駆り出されているらしい。 その第一…

本の雑誌9月号

北原尚彦さんが大活躍しているという噂の『本の雑誌』9月号を買ってきた。なるほど大活躍だ!国書刊行会、早川書房、東京創元社三社の中の人による座談会によると、国書の豆本等のプレゼントがあると真っ先に応募してくれるのが北原さんだそうだ。いつもあ…

魔界参入

ついにわが陋屋にも到来した美の司祭四人の饗宴! 漏れ聞く噂によれば、白玉楼中で憩っていた澁澤を降霊術でむりやり召喚して作品選択をさせたのだという。えらい迷惑な話のような気もする。たぶん「まあ蔵書目録や伝記の恩もあるからな」としぶしぶ応じてく…

なのめに書き流したる

下の画像は特に名を秘す版元の、昔の本に挟まれていた愛読者カードだ。ここを見ている方なら「あああれね」とピンとくる方も多いと思う。 ごらんのとおり斜めになっている。印刷ミスではないようだ。意図的に傾けているらしい。古老の話によればこの本の新聞…

巨大豆本あらわる

巨大豆本 あらわるあらわる~ あらわれないのが小さい豆本です~ということで、大方の危惧のとおり、酷暑のせいもあって、『怪奇骨董翻訳箱』特典豆本はあられもなく巨大化してしまいました。本来ならここに画像を載せるべきかもしれませんが、あまりに大き…

豆本締め切り迫る!

『怪奇骨董翻訳箱』刊行記念 (巨大)豆本プレゼントキャンペーンの締め切りが今月末に迫りました。今時点の状況ですと余裕で全プレなのでふるってご応募ください。(ちなみに豆本発送等の事務はすべて国書で行いますので、わたしに応募者の個人情報が洩れる…

骨董箱見本出来

さるやんごとない方の一言がきっかけで飛ぶように本が売れ、たちまち転がり込む恐ろしいくらいの大金。しかし「宵越しの銭は持たねえ」とばかりに、儲けはすべて採算ウルトラ度外視の箱入り美装本につぎこむ、そんな特殊版元がどこかにあるという話を聞きま…

私にイシュメイルを呼んでこいとは(それはできない相談だ)

SFが読みたい!2019年版作者: SFマガジン編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/02/08メディア: ムックこの商品を含むブログを見る 『SFが読みたい!』の各社刊行予定を見ていると面白そうな企画が目白押しである。すっかりレギュラーメンバーになった…

一番目と二番目の謎

あけましておめでとうございます。 全18巻から3巻を選んで一つのシリーズとして刊行するけど、Something About Eveだけ藤原編集室担当なのだ。これには、Twitterなどには記すことのできない長い経緯があるのだが、いつの日かそれも明らかになると思う。— 中…

自殺の歴史

*自殺の歴史作者: ロミ,土屋和之出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2018/04/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る* 土屋和之さんから『自殺の歴史』をご恵贈いただきました。ありがとうございます。 (当然のことながら)もう自分でも買…

大予言

書物の宇宙誌―澁澤龍彦蔵書目録国書刊行会Amazon 澁澤の(乱歩みたいな)魅力が、今後も若い人のあいだに読み継がれるあろうと昨日書いた。でもそれは2006年、『澁澤龍彦 書物の宇宙誌』ですでに予言されていたことだった。昨日の日記は実に十二年間の後塵を…

千円均一本一番勝負

神保町ブックフェスティバル・本の得々市ワゴンセールの二日目に行ってまいりました。まず見るのは当然にして国書刊行会のところです。例年にもまして「惜しげもなく」という形容がぴったりの品ぞろえです。なにしろあの『マルセル・シュオッブ全集』が七千…

ジャンルクラサカ

虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)作者:デイヴィス,L.P.国書刊行会Amazon最初の40ページくらいまで読んで「これひょっとしてハルヒかな?」と思ったけれど、最後まで読んだらクラサカだった。と書いてもネタバレにはならないはずだ。というか、これ読んでない…

午後の恐龍

*アルファ作者: イェンス・ハルダー,菅谷暁出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2016/05/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る* 特殊版元として名高い国書刊行会がまたまた面妖な本を出した。拙宅から一番近い大型書店(コーチャンフォー…

なぜ素直に喜ばない

『マルセル・シュオッブ全集』7位ランク入りおめでとうございます! しかし国書刊行会の中の人は素直には喜んでいないようです。【トップ10入り】hontoネットストア2015年間ランキング、小説・文学TOP10の7位になんと『マルセル・シュオッブ全集』がランク…

後期源一問題

巴里幻想譯詩集国書刊行会Amazon 後期春夫問題よりさらに問題なものに後期源一問題がある。何かというと、初期の矢野目源一作品に心酔したファンが後期作品を読んで激しく頭を抱え、ときには再起不能に陥るという問題である。己の日夏門下への忠誠度が試練に…

全集購入

*マルセル・シュオッブ全集作者: マルセル・シュオッブ,大濱甫,多田智満子,宮下志朗,千葉文夫,大野多加志,尾方邦雄出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2015/06/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る window.twttr = (function(d, s, id) {…

最近のうれしいニュース2つ

ボスフォラス以東唯一ともいわれるバベルの図書館分館からメールあり。シュオッブ全集に入れる作品をまた増やすことにしたらしいです。なんと、本国版全集(Les Belles Lettres版やPhebus版など)にさえ入っていない作品も収録される模様。以下メールマガジ…

救われた舌

*三面記事の歴史作者: ロミ,Romi,土屋和之出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2013/09/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る* 本書に掲載されているエピソード。 昨日、12歳の少女が橋の鉄製の欄干をなめていたところ、急に舌がくっつい…