2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「光輝故(ゆえ)なくしては」

【「新青年」版】黒死館殺人事件作者:小栗 虫太郎作品社Amazon かつて都筑道夫はポケミスのあとがきで『ドグラ・マグラ』を、「狂人の主観を通して狂人をめぐる一事件を書いたもの」と評したことがあった。でもこれは『ドグラ・マグラ』にかぎらない。いわゆ…

『怪奇礼讃』礼讃

怪奇礼讃 (創元推理文庫)作者: E・F・ベンスン他,中野善夫,吉村満美子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2004/07/31メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (19件) を見る創元推理文庫の怪奇幻想部門は、かって背中に帆船マークがあっ…

ヴァルワル問題

ドイツ語ではWは「ウ」ではなく「ヴ」と発音するから、拙訳『ワルプルギスの夜』はより正確に表記するなら『ヴァルプルギスの夜』としなければならない。でもここはあえて「ワルプルギス」にこだわりたい。なぜかといえば、"WALPURGISNACHT"はと記されるのが…

ひみつのハニトラ

『ワルプルギスの夜 マイリンク幻想小説集』(グスタフ・マイリンク 垂野創一郎 訳 国書刊行会)を責了しました。“全編本邦初訳 2長篇小説のほか、短篇8編とエッセイ5編を収録” 山尾悠子さん推薦。10月中旬刊行。https://t.co/rnKlWkLl3s pic.twitter.com/DK…

10月第二弾

ペルッツ中短篇集*1に続く10月発行第二弾がついに長年の封印を解かれて書影アップ。見よこの帯文執筆陣の豪華さを! 長篇2篇に短篇・エッセイが13篇と単行本2.5冊分くらいの分量が収録されているのに価格は1/3シュオッブ(=1キントス)というコスパのよさにも…