2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マクロイを愛す

牧神の影 (ちくま文庫)作者:マクロイ,ヘレン筑摩書房Amazon悪意の夜 (創元推理文庫)作者:ヘレン・マクロイ東京創元社Amazon ヘレン・マクロイが好きだ。海辺まで走っていって、「好きだよー!」と叫びたくなるくらいに好きだ。だからここ最近のマクロイの新…

ジュテーム?

英語とは何か (インターナショナル新書)作者:南條 竹則集英社インターナショナルAmazon ジャズトランぺッターMiles Davisの名は英和辞典の発音表記で見るかぎり、「マイルス」ではなくて「マイルズ」である。ところが「日本で一番マイルスに近い男」と呼ばれ…

高い山から

自分はシブサワ派かもしれない。だがタカヤマ派だろうかと自問すると、やはり違うような気がする。タカヤマ本はたいてい読んでいるが、いや正確に言うとたいていページをめくってはいるのだが、あれら膨大な著作の基調をなすメッセージが、シブサワの場合ほ…

シブサワなう

『カラマーゾフの兄弟』中のゾシマ長老伝のはじめのほうに、二十歳前に結核で夭折した長老の兄マルケルのエピソードがでてくる。その兄は死ぬ一か月前にこんなことを言ったそうだ。 「お母さん、泣かないでください。人生は楽園です。僕たちはみんな楽園に住…

中野さんの本

中野善夫さんが9/15のツイートでいつものように届いた本の報告をされている。 本が届いた。今日はいい日だ。しかし、霊が写り込んでいて書名が見えない。 pic.twitter.com/gZvtQA5l0n— 中野善夫 (@tolle_et_lege) 2018年9月15日 実はわたくしも同じ本を持っ…

ルビのために

ルビというのは大切なものである。むかし、「忽然(こちねん)と叩叩の欵門(おとない)あり。」の「叩叩」のところにルビがなかったので、「とんとん」と読んだ人がいた。大阪圭吉か! でもまあ、「こちねんととんとんのおとないあり」もけして悪くはない。…

一考さんの鍵

澁澤龍彦はアンドレ・ブルトンから一本の鍵をもらったという。かくいうわたしも、むかしむかし、渡邉一考さんから一本鍵をもらったことがある。ほかに革ジャンパーももらったけれど、そちらは今の話に関係がない。まだ一考さんが赤坂見附の「ですぺら」でマ…