パラドックス

登場人物表のパラドックス

煙で描いた肖像画 (創元推理文庫)作者:ビル・S. バリンジャー東京創元社Amazon 今はむかし、世紀の変わり目前後に、ミステリ系サイトが栄えた一時期があった。実をいうとこの「プヒプヒ日記」もそれら先輩サイトに刺激を受けて生まれたものだ。ところが栄枯…

Had I But Known

パラドクシア・エピデミカ ― ルネサンスにおけるパラドックスの伝統作者:ロザリー L コリー白水社Amazon 両世界日誌によれば、『パラドクシア・エピデミカ』ではironyを「複眼視」と訳しているそうだ。しまった。拾い読みしかしてなかったので気づかなかった…

お茶目な注について

『パラドクシア・エピデミカ ― ルネサンスにおけるパラドックスの伝統』の巻末に林立する「おかたい注」に混じって、「私もどこそこでこの目で人魚を見た」という注があるそうだ。訳者あとがきにはそう書いてあった。遅読ゆえまだその箇所には到達していない…

C感覚とY感覚

パラドクシア・エピデミカ ― ルネサンスにおけるパラドックスの伝統作者:ロザリー L コリー発売日: 2011/06/18メディア: 単行本本書の「訳者あとがき」には、「……コリーの主著に「パラドックスとパラダイス」という絶品書評を呈して「戦友」を鼓舞したのがイ…

伝染性パラドックス

*四人の申し分なき重罪人 (ちくま文庫)作者: G.K.チェスタトン,西崎憲出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/12/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 37回この商品を含むブログ (22件) を見る* むかしむかしアテネの町に、ゴルギアスという男がいた。ま…

タルホマニア拾遺録(4) 親殺しのパラドックスの巻

マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)作者:広瀬 正集英社Amazon タイムマシンで未来(あるいは過去)へ行った先で出会った人が、実は自分自身の将来(あるいは過去)の姿であった。これはタイムトラベルもののSFでよくある筋だが、タルホ作品にも、これと似た…

搭上の姫君のパラドックス

論理サバイバル―議論力を鍛える108問作者:三浦 俊彦二見書房Amazon クリプキの流れで、この本もちょっと覗いてみた。しかしこれはちょっとまずい本なのではないか。マクタガートの時間非実在論については誤解があるようだし、巻末近くの宇宙有限時間説などは…

『澁澤さん家(ち)で午後五時にお茶を』 (種村季弘 学研M文庫)  ISBN:4059040061

「時間のパラドックスについて」…これは澁澤龍彦の『思考の紋章学』に収録されている名エッセイであるが、本書『澁澤さん家で…』で描かれた澁澤像は、まさにこの「時間のパラドックス」の体現ではないかと思う。 本書の全体は内容的に三つのパートに分けられ…