中村真一郎

樹木的成長

中村真一郎 青春日記 (中村真一郎collection)水声社Amazon 中村真一郎の一高時代の日記が翻刻されるということは、ずいぶん前から耳にはしていたが、今年ついに、それが一冊の本としてまとまった! つつがない出版を慶賀するとともに、関係者のおそらくは一…

「豪奢な性の人工楽園」

中村真一郎手帖〈1〉水声社Amazon 「中村真一郎の会」編纂による「中村真一郎手帖」を一読した。思えばこの人の新刊を追っかけなくなって随分になるような気がする。「〜手帖」巻末の著作目録でチェックしてみると、1992年の「文学としての評伝」までは七割…

眼鏡文人の友情

眼鏡文人と言えば福永武彦、ということで物のついでにマチネ・ポエティックの同志中村真一郎の回想記「愛と美と文学」より引用。中村が旧制一校を受験するときのエピソードです。 彼(福永武彦)は私の受験勉強の時間割の作製を手伝い、金のない私に参考書を…

鮎川哲也は、なぜ我々をハッピーにするのか? (その2)

同様のことを中村真一郎も彼の著書『文章読本』のなかで述べている。文章読本という、いわば文章のお手本集の中に鮎川哲也の文章を入れるというのも相当な見識ではあるが、そこで彼は鮎川は鷗外に学んでいるのではないか、とまで言っているのだ。鮎川が引用…