アーサー・マッケン

タレコミあり

昨日のブログを読んでくださった方からさっそくタレコミがあった。国書刊行会から近々アーサー・マッケンの自伝が出るそうだ。それも南條竹則氏の訳で!おそらく今頃は南條氏のもとに不幸の手紙が矢のように届いていることだろう。『あくび猫』によれば「あ…

恐怖の到来

『恐怖 アーサー・マッケン傑作選』を贈っていただきました。どうもありがとうございます。 さっそくぱらぱらとめくってみると、のっけから「よく来られたね、クラーク。ほんとによかった。じつは、時間のつごうがつくかどうか、心配してたんだが。」 「仕事…

ゴセシケ再訪

『火星ラストソング』を読んだら今度はゴセシケが読みたくてたまらなくなり、近所の図書館から借りてきた。 この『合成怪物』(半田倹一訳・岩崎書店SFこども図書館25)は「1976年第一刷発行」と書いてあるからわたしの読んだ版ではない。まあともかく半世紀…

マッケンの事

藤原編集室のツイートによれば、平井呈一訳マッケン短篇集が近々創元推理文庫から出るという。やれうれしや。同文庫『怪奇小説傑作集1』で「パンの大神」を読んだときの衝撃は今でも忘れがたい。「恐怖は人類最古の感情である」というラヴクラフトの言葉を…

幻想と怪奇来たる

縁あって『幻想と怪奇1』のご恵送にあずかりました。 どうもありがとうございます。 紀田・荒俣両巨頭による創刊の辞、北原尚彦氏のイントロダクションに続いて、いきなりアーサー・マッケンの短篇登場! やはりアーサー・マッケンは不滅です。牧神社版の作…

ダンセイニ卿書評集

文学フリマ京都からだいぶ日がたってしまいました。いまさらではありますがいらしてくださった皆様、どうもありがとうございました。次は4月16日金沢でお目にかかりましょう。5月7日の文フリ東京は都合がつかず残念ながら欠席です。さて文フリ京都に話を戻し…

連休が勝負だ

* * グスタフ・マイリンク疑似科学小説集『標本』は、マルドロールさんでの売れ行きがこのままのペースで続けば、文フリ前に完売になりそうな感じです。アーサー・マッケンが自伝かなにかで書いていたのですが、もらった遺産を全部1ポンド札に代えて、ベッ…

幻視の恩寵

ペトラルカ=ボッカッチョ往復書簡 (岩波文庫)作者: 近藤恒一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/12/15メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る アーサー・マッケンはウェールズの片田舎で牧神パーンの跳梁するのをまざまざと見た…

マッケンの生原稿

Tartarus Pressのレイ・ラッセルが最近サザビーのオークションで入手した一山のうち、ダブリ本その他が放出されている(ここ)。「緑地帯」の手書き原稿308ページが£2,750、タイプ原稿146ページが £1,500。思ったより高くない。しかしこんなものを一般コレク…

マッケンの失われた草稿

火星の運河 (角川ホラー文庫)作者:江戸川 乱歩角川書店Amazon 乱歩の一側面をうまく切り取ったアンソロジーである。この本で見られる乱歩は「理知的探偵小説」を目指した偉大な先駆者ではないし、巷間誤解されたところのエログロ三昧親父でもない。それでは…

神によってなされなかったこと

青い館の崩壊―ブルー・ローズ殺人事件 (講談社文庫)作者: 倉阪鬼一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/07メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る (ネタバレ気味なので未読の人は以下を読まないほうがいいかもです) 講談社ノベ…

暗い広場の上で(ヒュー・ウォルポール)  ISBN:4150017565

これは「三人の詐欺師」や「新アラビア夜話」と同じく魔都ロンドンの物語である。 ……たとえばパリはね、あすこはある程度の研究をつめば、ひととおりの知識をつかめるようになれるが、ロンドンというところは、これは常に神秘だよ。かりに君がパリに行けば『…

語学力の低さ

終日The House of the Hidden Lightに取り組んだが何がなんだか分からず。おのれの語学力の低さを痛感。マッケンの全身像はまだわれわれに顕現されているとは言いがたい。更なる探求が俟たれる、と日記には書いておこう。

『秘められた光の家』(アーサー・マッケン/A.E.ウェイト)

ええとええと。とんでもない本が出ましたねえ。注文したらちゃんと届いたので、確かに出版はされているようですが、いまだに自分の眼が信じられませんよ? このThe House of the Hidden Lightなる本は何かと言うと、まあ一言で言えばマッケンとA.E.ウェイト…