2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
北の橋の舞踏会・世界を駆けるヴィーナス (マッコルラン・コレクション 2)作者:ピエール・マッコルラン国書刊行会Amazon 『黄色い笑い/悪意』の感想ではついうっかりマッコルランの作風を「出たとこ任せ」などと書いてしまった。これはまったくの濡れ衣だっ…
待ちに待ったマッコルラン・コレクションの第二巻が出た。今度の表紙は赤天鵞絨である。もしかしたら『黄色い笑い』が黄天鵞絨だったように、集中の「薔薇王」にちなんだ赤なのかもしれない。すると第三巻はどうなるんだろう。タイトルからすれば黒天鵞絨に…
『狩場の悲劇』の解説を読んだら、これは叙述トリックの一種である、というようなことが書いてあった。いや、それはいくらなんでも違うでしょう、と自分のようなオールドファンは思うのだが、ネットで検索してみると、「叙述トリック」を「語り手=犯人」の…
お住の霊: 岡本綺堂怪異小品集 (932;932) (平凡社ライブラリー 932)作者:岡本 綺堂平凡社Amazon 湯田伸子のマンガに「ラジオ・ダルニー」というのがある。この作品では日本が第二次大戦で勝利していて、主人公の女性は大連(ダルニー)の放送局でディスクジョ…
かぼちゃの馬車(新潮文庫)作者:星 新一新潮社Amazon まだ星新一を読んでいる。星新一もまた夏の読み物だと思う。扇風機と蚊取り線香がよく似合う。『かぼちゃの馬車』の最終話はL.P.ハートリーのある短篇と発想が同じなので驚いた。共通の願望でもあったの…
星新一の思想 ――予見・冷笑・賢慮のひと (筑摩選書)作者:浅羽 通明筑摩書房Amazon 浅羽さんといえば、『星新一の思想』は実に面白い本で折に触れて読み返している。もちろんそこには浅羽節ともいうべき独特の文体を読む快感もある。そのあるページであるショ…
あまりにも暑いので家にじっとしておられず、恵比寿で昨日から催されているGalerie LIBRAIRIE6の中井英夫生誕百年祭に行ってきた。1941年に書かれた日記の一部と死の直前に書かれた覚書が並べて展示されていたのだけれど、筆跡がそっくりなのにびっくり。ふ…
老人といえばもう一つ思い出したことがある。昨年十一月のことだ。もう八か月も前のことなのでそろそろばらしてもかまうまい。その年の九月に出した『記憶の図書館』をめぐって『週刊読書人』で西崎憲さんと対談をした(西崎さん、その節はお付き合いくださ…
www.youtube.com このブログを見てくれている人のなかでニュー・トロルスというバンドをご存知の方はどれくらいいるだろう。オーケストラと共演している『コンチェルト・グロッソ』というアルバムで有名なイタリアのプログレッシブロックバンドである。それ…
今週の土曜から月末にかけて恵比寿のGalerie LIBRAIRIE6で中井御大の生誕百年祭が開かれるようです。LIBRAIRIE6のサイトによれば、「中井英夫 生誕100年」展 – 本多正一写真集「彗星との日々」と装画作家たち – を7月16日 (土) ~ 7月30日 (土) まで開催いた…
皆進社からお知らせのメールが来ました。今宵皆さんをご招待するのは、うつし世の憂いを忘れさせる、華麗な犯罪ゲームの世界である。《仮面・男爵・博士》叢書の第2巻は、渡辺啓助の連作『空気男爵』に短編4作を併録。 監修=新田康 解説=横井司 ブックデザ…
新版 近代スピリチュアリズムの歴史 心霊研究から超心理学へ作者:三浦清宏国書刊行会Amazon 皆さんは「酷暑商法」というのを御存知だろうか。猛暑が続いて人々の脳みそがいい按配に溶けはじめるころ、特に名を秘す某版元は、それを狙ったように変な本をババ…
ツイッター情報によれば綺想社というところからキラ=クーチの短篇集が出るらしい。「よしとに on Twitter: "アーサー・キラ=クーチ幻想綺譚集 壱『黒い鏡』 発行 : 綺想社 価格 : 5,000円 販売開始日:2022年7月3日 平井呈一も、愛した名匠 "Q"「魔法の影法…