2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『吸血鬼ラスヴァン』

吸血鬼ラスヴァン: 英米古典吸血鬼小説傑作集作者:G・G・バイロン,J・W・ポリドリ東京創元社Amazon 夏来健次さんのことだから! きっと何かやるだろうと思っていたら! 期待にたがわずやってくれました。この本の掉尾を飾る「魔王の館」の(そういっては失礼…

『ホフマン小説集成』2

この『ホフマン小説集成』は、よほど古典音楽にうるさい、いや詳しい人が目を通したらしく、音楽関係の校訂が行き届いているようだ。そのせいかどうか、読んでいるとあちこちのページから妙なる音が聞えてくる気がする。なるほどホフマンは文筆の人であると…

『ホフマン小説集成』

また少し間が空いてしまったけれどそのあいだ何をしていたかというと、『ホフマン小説集成(上)』を読んでいた。いわゆる「山吹色の本」である。この本は版元から献呈してもらった。山吹色はしているけれど別にワイロではなく、フーゴー・シュタイナー=プラ…

Webちくまに「ペルッツの世界」が

百合のことはひとまずおいといてたまには宣伝を。先日雑誌「ちくま」に掲載された「ペルッツの世界」がWebちくまでも公開されました。よろしければ読んでいただければと思います。ツイッターとか読書メーターとかを見る限りでは『テュルリュパン』はなかなか…

これが百合か3

『安達としまむら』を十巻まで読んだ。いや~よかった。感服つかまつった。これが百合か。百合というものか。なるほどね~。これが男女の恋愛だったらここまで切なくひたむきにはならないように思う。恋愛感情のひたむきさでこれに近い読後感のものに、中井…

これが百合か2

『安達としまむら』の六巻以降は結局多摩センターの丸善で買えた。こちらにもやはり「2020年10月8日(木)から放送開始!」という、すでに放映終了したTVアニメの帯がついている。これが何を意味するかというと……もしかすると多摩センターはうどん県と同じくら…

これが百合か

すこし日記の間が空いてしまったけれど、そのあいだ何をしていたかというと『安達としまむら』を読んでいた。『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』で衝撃的なデビューを飾った入間人間の二〇一五年の作品である。 これを読んで百合というものがわかったよう…

『地獄の門』

訳者解説によれば、作者モーリス・ルヴェルは何百もの短篇を書きながら、多くは新聞に掲載されたきりで、生前は二冊しか短篇集が出なかったという。なんだかジャック・リッチーみたいですね、作風は大違いだけれど。ともあれ読み捨てられたはずだったそんな…

『左川ちか全集』と『郊外のフェアリーテール』

ようやく『左川ちか全集』と『郊外のフェアリーテール』を買えた。両方ともかなりの売れ行きらしくて、なかなか書店の棚に見つけられなかった。連休中に読めるだろうか。

『ちくま』と『本の雑誌』

筑摩書房のPR誌『ちくま』5月号に「ペルッツの世界」を寄稿しました。この雑誌はヒグチユウコさんの絵がすばらしく、失礼な言い方になるかもしれませんが、この表紙絵は印刷も含めてPR誌にはもったいないくらいのクオリティです。ヒグチさんは表紙裏のマン…

『長い別れ』

女の運転するロールスロイスから白髪の青年が放り出されたのを目撃したマーロウは、そのまま青年を家に連れて帰る。そういえば少し前に『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』というライトノベルがあった。だがタフガイはもちろんそんなものは拾わない。拾…