2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

バラードならびに横光

S-Fマガジン 2011年 08月号 [雑誌]早川書房Amazon 安藤礼二さんのJ. G. バラード論が、SFマガジンの最新号に載っている。一ページほど読んだあとに、こんなキュートなフレーズにぶつかった。 「内宇宙」の探求とは、なによりも、自己の内部と自己の外部…

C感覚とY感覚(2)

ダールグレン(2) (未来の文学)作者:サミュエル・R・ディレイニー国書刊行会Amazon パラドクシア・エピデミカ ― ルネサンスにおけるパラドックスの伝統作者:ロザリー L コリー白水社Amazon ……ということで、ベローナへの赤毛布の旅からようやく帰ってきた…

重ね書き

『ダールグレン(2) (未来の文学)』は最終章に突入。すごいことが起こっていて、実は何がなんだかよく分からない。『ラナーク―四巻からなる伝記』も最後はこんな感じですごくなったのをちょっと連想した。虚虚実実の伝記的作品を千枚も二千枚も書いている…

20世紀のアタナシウス・キルヒャー

Fukujin(ふくじん) No.15白夜書房Amazon 2ちゃんねるの某スレで人気沸騰中のFukujin松山俊太郎特集号。どこの書店にも置いてなくてあちこち探し回った末やっと見つけた(bk1で……)。内容はむちゃくちゃ充実している。興味がある人は手に入るうちに買って…

『ダールグレン』ゲトー!

ダールグレン(1) (未来の文学)作者:サミュエル・R・ディレイニー発売日: 2011/06/22メディア: 単行本三省堂でトークショーの整理券もらったら8番だった(午後7時現在)。定員50名だそうだけどまだまだ余裕はあるもよう。拙豚は年寄りなので、「SFスキャ…

C感覚とY感覚

パラドクシア・エピデミカ ― ルネサンスにおけるパラドックスの伝統作者:ロザリー L コリー発売日: 2011/06/18メディア: 単行本本書の「訳者あとがき」には、「……コリーの主著に「パラドックスとパラダイス」という絶品書評を呈して「戦友」を鼓舞したのがイ…

百見は一聞に如かず

超短編の世界 Vol.3創英社Amazon 昨日の日記を書いていて思い出したことがある。先月の14日、超短編の会に出席するため西荻のbecocafeに行ったのだった。当日限定の冊子が配布されると聞いたためだが、しかし冊子以上の収穫がこの夕べにはあった。朗読を聞い…

140字で語る

3.11 心に残る140字の物語作者:内藤みか学研プラスAmazon 東日本大震災を契機として書かれたTwitter小説のアンソロジー。Twitterというと140字だから、数百字を基準とする超短編よりもさらに短い。昔偉い文豪二人が「筋のない小説」をめぐって意見を…

だれもが20則を愛していた

パラドクシア・エピデミカ ― ルネサンスにおけるパラドックスの伝統作者:ロザリー L コリー白水社Amazonアメリカ文学史作者:平石 貴樹松柏社Amazon おそるべき見立て殺人の物語『だれもがポオを愛していた』の作者である平石貴樹氏の『アメリカ文学史』は、…

文フリ御礼

* 昨日はたくさんの方々に来ていただきありがとうございました。おかげさまで持っていった本はおおかたはけました。冊数は足りるはずだったのですが一部アイテムで売り切れが出てしまいました。申しわけありません。次回文フリ(11月)はそのようなことがな…

文フリ(6/12)速報(3)

* * かたじけなくも円城塔さんにお褒めの言葉をたまわった「クワエウィース?」も増刷してお目見え。 ちょっと後書きから引用します。 * 訳者はこれをはじめて読んだときレーモン・ルーセルとの類似に嬉しくなったことを覚えています。メカニズム愛好癖、…

文フリ(6/12)速報(2)

今回の新刊は『青い彼方への旅』(ルートヴィヒ・ティーク)です。 かのロデリック・アッシャーの愛読書、ついにその驚異の全貌がここに! 『トリストラム・シャンディー』に心酔していたティークの、駄弁とポエジーの織りなす大迷宮をご堪能あれ。A5版138ペ…

文フリ(6/12)速報

* ビブリオテカ・プヒプヒの既刊リストです。(巻数で「世界幻想文学大系」や「世界探偵小説全集」を追い越すのがひそかな野望……) * No. 作者 タイトル 値段 1 レオ・ペルッツ アンチクリストの誕生 - 2 モーリス・サンド 迷路 800 3 フレードリヒ・フレ…