2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Comme à la Taroupho

*ポータブル文学小史作者: エンリーケ・ビラ=マタス,木村榮一出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2011/02/15メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (22件) を見る* ポータブル文学とは何か。真偽さだかならぬ噂によれば、前世紀にはそ…

金玉の如き二粒

アマテラス―最高神の知られざる秘史 (学研新書)作者:斎藤 英喜学研プラスAmazon あとがきにはこんなことが書いてある。 ぼくの今回のアマテラスの本は、アマテラス大好き! という女子や、伊勢神宮の神秘! という人たちに、ぜひとも読んでほしいという気持…

招かざる厨房よカエレ

一昨日の日記を読んで、せっかく雪の篠つくなかを来てくれたお客さんを追い返すとは、なんとひどい古書店主だと思われた方もいるかもしれない。しかし古書店が客を追い返すというのは、それほど珍しい話ではない。かくいう拙豚も、神保町T村書店の二階に始…

「記憶の暮方」について(3)

アムネジア作者:稲生 平太郎角川書店Amazon(承前) 「記憶の暮方」と「アムネジア」とはどちらも物語の消失、そして墜落のイメージで幕を閉じる。 一枚の紙、一冊の手帳、一冊の本。 必死になって手を伸ばしても、届かない。つかめない。 記されている文字や…

「記憶の暮方」について(2)

十字街―久生十蘭コレクション (朝日文芸文庫)作者:久生 十蘭朝日新聞社Amazon 「記憶の暮方」からいやおうなしに連想されるのが橋本治の久生十蘭論「遁走詞章」だ。この評論では記憶違いというものに対して、そしてそれと歌(リズムを持つ文章)との関係につ…

『記憶の暮方』

群像 2011年 03月号 [雑誌]講談社Amazon 独特の文体によって、どことも知れぬ空の彼方から手繰られるように物語がゆるゆると語りほどかれてゆく。「手繰られるように」というのは単なるレトリックではなく本当にそうなのだ。なにしろこの二百枚を越えるであ…

土曜日の九時過ぎ

土曜日の九時過ぎに神保町の〇くら水産に行くと、世にも不思議なパフォーマンスを見物できる。一見大学生風の集団が「パーラリッサ、パーラリッサ、パーラリッサ、パーラリッサ、」という何語とも分からない呪文を唱えているのだ。そして順繰りにビール瓶か…