2010-01-01から1年間の記事一覧

冬の祭典で売るもの

* えっと、今回はSFのスペースということでSF中心です。 * 謎の小説(委託) 1000円 * スタニスワフ・レム「エフ氏」(新刊) 500円 スタニスワフ・レム「エイズ・文学・批評家その他について」(インタビュー) 800円 スタニスワフ・レム「発狂した…

裏Lコレクション続報

* 「エフ氏」完成。冒頭の部分をちょっとご紹介。 * 書かなかった本について語るのは難しい。なにもそうした本が多すぎるからではなく、その本がわたしにとって最も重要だからでもない。なぜ難しいのかというと、書かなかった本にはそれ固有の物語があるか…

FANTAST

FANTAST最新号を恵送いただきました。ありがとうございます。これが表紙。なかなかおしゃれです。これが目次。あえて何も言うまい。また西荻からメールが来た。「フニャーニャニャニャ、ニャニャニャニャニャ!(俺に逆らう奴は、身内といえどすべからく病院…

東京創元社文庫解説総目録ゲトー!

東京創元社文庫解説総目録東京創元社Amazon なんかすさまじい勢いで売れているようで、もはやどこの書店を探してもなかった。書泉グランデのお姉さんがあちこち電話をかけてくれて(たぶんよほど必死の形相をしていたのだろうと思う)、なんとか一冊確保。あ…

裏Lコレクション続報

* 先に「インターネット論集」を出すと予告した裏Lコレクションですが、あまりの難しさにダウン。急遽第一回配本は「エフ氏」に変更することにしました。 * これはL氏が自分が書かなかった小説について書いたエッセイか小説かよく分からないものです。ち…

謎の小説再入荷!

* 一部でたいそう受けているらしい謎の小説が七冊ばかり再入荷しました。冬の祭典(二日目東)で委託販売予定です。限定50部のこととてこれが最後のチャンスかもしれません * 「FANTAST」36号も出たようです。そのうちマルドロールさんで買えるよ…

来たれ魔境へ

文フリの弊スペースまで来ていただいた方々、ありがとうございました。販売見込みを読み違えて少なめに持っていったら、売り切れ続出、せっかく来ていただいたのにご迷惑をかけ申し訳ありませんでした。増刷して冬の祭典(二日目、30日)でも売りますので、…

謎の委託小説

* かれは口に押し込まれるモノが、いったいどこからわいてくるのか、ちっともわからなかった。いつもひたすら上をむきながら、口をあんぐり聞いて、金切り声をめいっぱいだして大騒ぎしていた。それでことたりた。ところがいつからか、開いている口にはワヤ…

羅甸語は分ってるが、何と読むのだい

吾輩は猫である (岩波文庫)作者:夏目 漱石岩波書店Amazon イルメラ=日地谷・キルシュネライトの編纂する独訳版日本文学叢書には『吾輩は猫である』も入っている。訳者はオットー・プッツという人だ。ドイツ人の翻訳にまま見られる過度な正確さは感じられる…

プラハ消滅せり

小宮山書店の三冊五百円コーナーで適当に買った本にこんなことが書いてあった。昭和十六年に出た本である。筆者はプラハに旅したときのことを回想して、 午後には私一人、異なった方面を漫歩して高台に登ると、小児を乗せた乳母車を牽いている肥満した粗服の…

明和元年のアナモルフォーズ

宮武外骨著作集 第3巻作者:宮武 外骨河出書房新社Amazonきのう触れた「此花」は、元来は浮世絵研究誌なのだが、下で浮世絵以外のこともいろいろ書いてあっておもしろい。それもそのはず、そこには外骨先生の深謀遠慮があるのだ。巻頭例言にいわく、 また浮世…

蔵書印礼讃

本棚探偵の冒険 (双葉文庫)作者:喜国 雅彦双葉社Amazon蔵書印とか蔵書票とかいうのは、あまり押したり貼ったりする気になれない。もちろん面倒くさいせいもあるが、人が書いた本に自分の印をつけるというのはどんなものだろうと疑問に思うからでもある。もし…

「クワエウィース?」発掘

いまや幻と化した「クワエウィース?」。三部残部が出てきたのでマルドロールさんにお願いして売ってもらうことにしました。一部は予約が入っているようなので残り二部。 超小部数で申し訳ありません。文学フリマまでには増刷を予定しています。

冬の祭典

* おかげさまで当選。木曜日東ロ24bです。すぐお隣の島は東方プロジェクト〜。 三冊とかいってましたがとても無理ということが判明。しかし「L氏インターネット論集」だけは出したい。ポーランドのPCマガジンに1996年から1998年にかけて連載されていたコ…

きたないちいさな穴

小説すばる 2010年 11月号 [雑誌]集英社Amazon 「ばらばら死体の夜」第二回。息の詰まるような禍々しい雰囲気だった前回とちがって、この回ではやがてバラバラ死体になるはず(たぶん)の中年男の無気力な日常が語られる。彼には胎内回帰願望のようなものが…

恥ずかしい蔵書票の話

この前の金土は洋書祭りということで、いそいそと神保町の古書会館まで出かけていった。例によって初日はプロやセミプロが入り乱れて荒らしまくるので、何かと動作の緩慢な拙豚に出番はない。静かな雰囲気で落ち着いて本を選べるのは客もまばらな二日目の朝…

ホメオパシー探偵の憂鬱

*ミステリマガジン 2010年 12月号 [雑誌]出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/25メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る* ミステリマガジン12月号で、「ホメオパシー探偵の憂鬱」と題し、ビオイ=カサーレス/シルビーナ・オ…

二十面相は逃げたか?

* 乱歩は私が小学校上級のころ、はじめて「少年倶楽部」に「怪人二十面相」などの子供ものを連載した。三作くらいつづいた。これがすこぶるおもしろく、十一歳年上の兄までが読み、 「今月はどうなった? 二十面相はやっぱり逃げたか」 などと言ったりした…

帰ってきた桜庭一樹。

*小説すばる 2010年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/09/17メディア: 雑誌 クリック: 36回この商品を含むブログ (3件) を見る* 桜庭一樹がミステリの世界に帰ってきた! * 男は、資産家に婿入りした翻訳家。女は、古本屋の2階に間借り…

川をゆられてゆく虫のように

*お言葉でございます作者: 高山宗東出版社/メーカー: 総和社発売日: 2010/05/26メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 8回この商品を含むブログを見る* 少年ルイ・ランベールは朝からパンと書物をたずさえ森の奥へ行っては、母親の叱言のとどかない…

真理は時の娘

花斬りー火盗改香坂主悦(3) (双葉文庫)作者:倉阪 鬼一郎発売日: 2010/09/16メディア: 文庫前世紀の終りころ、さる学者の方が、「読む本は年齢に応じてライトノベル→ミステリ→時代小説と変わる」という説を唱えたことがあった。その説に次のように反論した…

よろこびの/うたをうたう/ひだりみみのために

たまさか人形堂物語作者:津原 泰水発売日: 2009/01/08メディア: 単行本『琉璃玉の耳輪』、まだ読み終わらない。このゆるやかな展開は、とても一気に読むに適さない。物語のテンポにあわせてゆるゆる読むのが正解だと思う。それもそのはず、あとがきによると…

面白すぎる

*琉璃玉の耳輪作者: 津原泰水,尾崎翠出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/09/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 35回この商品を含むブログ (18件) を見る* 『琉璃玉の耳輪』読書中。あまり尾崎翠って感じではない。どちらかと言えば乱歩テイス…

蝉王子の誘惑

* Bk1で須永朝彦さんの『天使』を買うと十二枚の掌篇「蝉の王子さま」が特典として送付されるという。期限は明日金曜まで。ちょっと迷ったがやはり誘惑には勝てなかった。 *

まただまされた。

*新世界崩壊 (講談社ノベルス)作者: 倉阪鬼一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/09/07メディア: 新書 クリック: 12回この商品を含むブログ (14件) を見る* まずは帯に苦言を呈しておきたい。 『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』が受賞したのは「バカミ…

株式市場化する古書価格

*最後の審判の巨匠 (晶文社ミステリ)作者: レオペルッツ,Leo Perutz,垂野創一郎出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2005/03/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 38回この商品を含むブログ (34件) を見る* 暇だから(というわけでもないけれど)、わが『最…

レルネット=ホレーニアのことなど

*白羊宮の火星 (福武文庫)作者: アレクサンダーレルネット・ホレーニア,前川道介,平田達治出版社/メーカー: 福武書店発売日: 1991/02メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る* レルネット=ホレーニアの未訳幻想ミステリ三作(『両シシリア連隊』…

生きてゐる深堀

S-Fマガジン 2010年 10月号 [雑誌]早川書房Amazon SFマガジン10月号に深堀骨の短篇が載っている。その名も『日本怪談全集』。おお懐かしや。ネット上で例の「キーポッポ」を読んだのは、もう何年前になるのだろうか。それに待望の新作は、なんとうれしいこと…

オグニ・モート・アテンデ・アル・スオ・マンテニメント

神保町は専修大学寄りの一角で「女の九割は殺せ!」「全人類を立方体にすれば一辺700メートル*1」「哺乳類はおっぱい好き」などと夢たをやかな密咒を誦すてふ犬神のやうな黄老(おきな)がついに動き出したそうな。聞くところによればリミッターを自ら解除し…

たまには日記らしく

* たまには日記らしく最近の出来事などを。 * 今年の冬の祭典にはレム本新刊を三冊出すことを発作的に思いつく。小説、エッセイ、書簡各一冊。今回は数で勝負だ! 国書刊行会版作品集に収録予定の作品はもちろん遠慮することにして、小説はポーランド本国…