本の雑誌

どんでん七傑

『本の雑誌』3月号の特集はどんでん返しである。ついにどんでんが来たか!——と言うと違う意味になってしまうが、ともかく表紙にはでかでかと「どんでん返しが気持ちいい!」とうたわれている。さっそく特集の驥尾にふし、読後あぜんとしたどんでん返し七傑…

怪異買書教に入信すべきか

本の雑誌476号2023年2月号本の雑誌社Amazon 『本の雑誌』2月号で喧伝された怪異買書教。その教義はただ一つ——「本を買え。天に届くまで積み上げろ」。そうすれば30年後か40年後に御利益があるという。それから信者の間ではこんまりは人心を惑わす悪魔の使い…

怪異買書教

『本の雑誌』2月号の特集は「本を買う!」。特集ページを開くといきなり中野善夫さんが「本を買え。天に届くまで積み上げろ。」と号令している。おそろしく気合が入った特集である。池澤春菜さんの『SFのSはステキのS』に付されたCOCOさんの挿絵をほうふつ…

エゴサーチの鬼と化す

本の雑誌469号2022年7月号本の雑誌社Amazon 『本の雑誌』七月号の編集後記に、この雑誌の巻末索引を担当されている方が、「あの、実際のところ索引って使いますか……? 常に存在意義を見失いがちな疲れた索引担当者に励ましのお便りを」と書いておられる。し…

在庫の減りが速くなった

本の雑誌462号2021年12月号本の雑誌社Amazon 最近やけに『記憶の図書館』のアマゾン在庫の減りが速いなと思っていたら、『本の雑誌』12月号で藤ふくろうさんがこの本を紹介してくださっていたことが判明した。ありがとうございます! こんな高価な本をボンボ…

本の雑誌10月号

「すごい机の写真が載っている!」と巷で話題騒然の「本の雑誌」10月号を買ってきた。 たしかにすごい! 机の写真にも驚いたが、もっと驚いたことがある。突撃インタビューのトップバッターに、特に名を秘す版元の、特に名を秘す編集者の方が登場している。…

本の雑誌9月号

北原尚彦さんが大活躍しているという噂の『本の雑誌』9月号を買ってきた。なるほど大活躍だ!国書刊行会、早川書房、東京創元社三社の中の人による座談会によると、国書の豆本等のプレゼントがあると真っ先に応募してくれるのが北原さんだそうだ。いつもあ…

初の快挙

本の雑誌429号2019年3月号作者: 本の雑誌編集部出版社/メーカー: 本の雑誌社発売日: 2019/02/13メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る本の雑誌3月号を見てビックリ。小財満氏が「どこに転がっていくの、林檎ちゃん」を評してくださっ…

おそるべき池澤効果

アンチクリストの誕生 (ちくま文庫)作者:ペルッツ,レオ筑摩書房Amazon ツイッター情報によると、先日の神保町ブックフェスティバルでは、本の雑誌社のブースで池澤春菜さんが売り子をされていたそうだ。全然気づかなかった! なにしろああいう場所では本しか…

毒は作品より早く

本の雑誌396号本の雑誌社Amazon* むかし雀*1仲間だった花笠海月さんから『「詩世紀」における長谷川敬(赤江瀑)』をいただきました。ありがとうございます。花笠さんと彩古さんと共著のかたちで書肆いろどりから出されたものです。また「本の雑誌」の6月号…

ジャーゲンの場

本の雑誌394号本の雑誌社Amazon いま発売中の『本の雑誌』で彩古さんがキャベルの『ジャーゲン』を紹介している。おお懐かしや。『夢想の秘密』が出てもう何年になるのだろう。同じ号で若島正氏がデ・ラ・メアの『恋のお守り』について「今は書店から消えた…

尊師が空を飛んでいる

*本の雑誌361号作者: 本の雑誌編集部出版社/メーカー: 本の雑誌社発売日: 2013/06/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る* このところ毎月「本の雑誌」を買い続けている。木村晋介氏の連載「新・キムラ弁護士のありふれな…

クラニーの浸透と拡散

*夢のれん 小料理のどか屋 人情帖8 (二見時代小説文庫)作者: 倉阪鬼一郎出版社/メーカー: 二見書房発売日: 2013/05/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る* 本の雑誌7月号を開いて少しのけぞる。「クラニーファンが絶賛する書き下ろしシリー…

クラニー先生の10作

ひさしぶりに某巨大掲示板をのぞいたらなんと「本の雑誌がクラニー特集」と書いてあるではないか。おおこれは一大事、と感激してさっそく本屋に走った。「本の雑誌」を買うのはたぶん三年ぶりくらいではあるまいか。この雑誌は良くも悪くも活字中毒者による…

人間時計のオチ

*図書館 愛書家の楽園作者: アルベルト・マングェル,野中邦子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2008/09/29メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 27回この商品を含むブログ (45件) を見る* 人間時計小説、いちおうおしまいまで訳したが、落ちが意味不明。主…

石堂藍さんと言えば

一月号から「本の雑誌」の常連レビュアーになったようだ。最近の本の雑誌は「〜を読め!」とか「〜は凄いぞ!」とか、威勢はいいが、しかしどこか空疎に響く賞賛書評が、気のせいかもしれないが目立つ。そうそう毎月傑作が出るはずはないではないかと思うの…