2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

どんでん七傑

『本の雑誌』3月号の特集はどんでん返しである。ついにどんでんが来たか!——と言うと違う意味になってしまうが、ともかく表紙にはでかでかと「どんでん返しが気持ちいい!」とうたわれている。さっそく特集の驥尾にふし、読後あぜんとしたどんでん返し七傑…

腿太郎の誕生

腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)作者:深堀骨左右社Amazon あの深掘骨氏の新作が今月24日に出るというので世間は騒然としている。しかも岸本佐知子氏の推薦つきで。きっと「他の誰にも絶対に書けない小説を書こう」という固い決意があるのだろう。あるいは最初…

怪談の訳註

あるアンソロジーのために怪談の短篇を一つ訳した。そのとき少し悩んだのは怪談に訳註はどうあるべきかということだ。訳したのはストレートな怪談で、おそらくポーの影響をたっぷり受けている。すなわちあらかじめ計算された展開のなかで雰囲気をジワジワと…

消えないうちに読もう

『都筑道夫の読ホリデイ』にこんな ↑ 一節がある。「やたらに本が消える」とはおだやかでない。大変失礼な想像で恐縮なのだけれど、大胆な想像をあえてすれば、もしかしたら都筑夫人は、都筑氏の留守中に本が届くと「ああまた本が増えた。片付かないったらあ…

ヨーロッパに船出する高丘親王

『みすず』の読書アンケート特集を見ていたら、宮下志朗氏が『高丘親王航海記』の仏訳をあげておられました。仏訳が去年出てたんですね。全然知らなかったので驚きました。ちなみに訳者は先に『ドグラ・マグラ』を訳されたパトリック・オノレ氏です。検索し…

この輝かしいサインを見よ!

国書刊行会史上初の発売前増刷を達成したという『迷宮遊覧飛行』。前に『アフター・クロード』でアマゾン順位三ケタは初めて見たとこの日記で書いたら、『三ケタなんてしょっちゅうだ!』と版元からお叱りをいただきましたが、さすがに発売前から三ケタとい…