2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『狩場の悲劇』

狩場の悲劇 (中公文庫 チ 3-3)作者:チェーホフ中央公論新社Amazon 登場人物一覧の中の「オーレリア」は「オーレニカ」の誤植だと思う。これはたぶん、「アクセル全開、インド人を右に! 」と似たケースで、(おそらく校正時に)悪筆で書かれた「ニカ」を「リ…

ふるほんどらねこ堂探訪記

昨日お昼前に都内某所の古書店で本を見ていたら、セドリ中の浅羽通明さんに遭遇。おお、ここも浅羽さんに荒らされていたのか! ここは200円とか300円とかの値段で良書が泉のように湧いて出てくるまさに魔法のお店であって、ここで山口剛著作集を1800円(つま…

「ボーイ・ミーツ・ミシマ」

三島由紀夫最後の言葉 (〈知〉のフロントラインへ-「図書新聞」セクション 1)作者:三島 由紀夫,古林 尚,高原 英理,樺山 三英,井上 隆史,柳瀬 善治,鳥居 万由実,松原 俊太郎武久出版ぶQ出版センターAmazon 「ボーイ・ミーツ・ミシマ」……そうか、ボーイがミシ…

ヴェデキントの特質

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「女性に金玉を噛まれたこともある」と4月9日付の当ブログでお伝えしたフランク・ヴェデキントの小品「女侯爵ルサルカ」が、岡和田晃さんのご厚意でナイトランド・クオータリーの次号に載ることになりました。6月29日発売予定です。ヴェデキント作品の…

楕円の顔

小説を読んでいると、美女の形容として、「楕円(Oval)の顔」というのがたまに出てくる。このブログで去年とりあげた『最後の審判の巨匠』にもこの形容があった。そして今翻訳している小説にもこの形容が出てくる。常套句というほどではないにせよ、少なくと…

エゴサーチの鬼と化す

本の雑誌469号2022年7月号本の雑誌社Amazon 『本の雑誌』七月号の編集後記に、この雑誌の巻末索引を担当されている方が、「あの、実際のところ索引って使いますか……? 常に存在意義を見失いがちな疲れた索引担当者に励ましのお便りを」と書いておられる。し…

「まぎゃく」

「正反対」の意味の「真逆 (まぎゃく)」という言葉は、すくなくとも文章語ではまだ十分に市民権を得てないようだ。この言葉が生理的に嫌という人もいた。それに「真逆」はフリガナを振らないと「まさか」と読み違えられる場合がある(たとえば「彼女は内心で…