2011-01-01から1年間の記事一覧

徹夜の弊害

*チャイナ橙の謎 (創元推理文庫 104-12)作者: エラリー・クイーン,井上勇出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1960/01/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る* 名状しがたい新刊を読んでくださった方からのお便り。 * 44頁の『オレンジ橙の…

本日はありがとうございました

* 弊スペースまで来ていただいた皆様、どうもありがとうございました。おかげさまで名状しがたい新刊は午後一時前には完売の危機に突入、見込みの甘さを痛感しました。 大いに反省してただいま早速増刷分を作成している最中であります。ではまた、来年の文…

明日のメニュー

* ということで、明日はよろしくお願いします。 おかげさまでなんとか新刊が完成しました。 No. タイトル ページ数 値段 1 名状しがたい新刊 120 700 名状しがたい理由により通販は難しいかもしれません。会場でお買い上げいただければ幸甚です。 * 旧刊 N…

表紙ができた

* * 色を塗る時間があるかどうかは大微妙。 しかしここまで来たからにはもはや引き返せない。恐怖の徹夜地獄に突入だ! *

ダクダクとは何の謂ぞ

漏れ聞く噂によれば、あと十日たらずに迫った冬の祭典で、面妖な本が新刊で出るらしい。しかもわがスペースのすぐ隣で。「ダクダク」? そんなの黒死館にあったっけ? と思って調べてみたら本当にあった! 恐るべし黒死館マニア! ……それから彼は、片眼鏡で…

シュオブ復活!

* 部屋の隅に埋もれていた『乱世綺譚集』余部15部をマルドロールさんに本日送付しました。近いうちに販売されると思います。800円です。よかったら買ってやってください。 (ただし限定150部外の余部なので記番はありません。申し訳ありませんがご了承くだ…

あるカーの密室作品

* ボ氏の本はいま疑問点をつぶしているところ。ある対談でボ氏はこんなことを言っている。 * それはたとえばディクスン・カーの多くの小説のように、終わりまで読むと失望するものもあります。でも読んでいるあいだはたいへん楽しんで読めるのです。あるカ…

恐怖の惑星直列

* * 冬の祭典のカタログを買ってきました。今回は一日目、場所は久しぶりに古巣のミステリ島です。ここ何回か、あちこちのジャンルをさまよってきましたが、やはりここが一番よく売れるようです。おお、青い鳥はここにいたのか。 それにしても今回の配置は…

魔法つかいの夏

夏と冬のソナタ、じゃなくて夏と冬の祭典に参加する場合、もっとも苛酷な場所はどこだろう。一般参加者の入場待機列か。あるいは切羽詰っているときのトイレの待機列か。しかしそれらは避けようと思えば避けられる。思うに、のっぴきならない難所は東館と西…

われわれに残されたよい習し

*ラッフルズ・ホーの奇蹟 (ドイル傑作集5) (創元推理文庫)作者: コナン・ドイル,北原尚彦,西崎憲出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/12/21メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (12件) を見る* 聞くところによると東京創元社…

西学事始

解(げ)せ申した。解(げ)せ申した。方々、かようでござる。木の枝を断ち申したるあと、癒え申せば堆(たか)くなるでござろう。塵土聚(あつま)れば、これも堆(たか)くなるでござろう。されば、鼻は面中にありて、堆起するものでござれば、フルヘッヘ…

モクージ

* * ようやっと目次ができたがのう、ふおふお。じゃが中身はまだまだこれからじゃ。冬の祭典前夜はまたまた徹夜なんかのうのう……かなわんのう……寄る年波にこたえるのう……でもわしなんでこんなことやっとるんかのう……のう婆さんや? あっ婆さんおらんがな。…

シアワセじゃあねえっすよ!

×××HOLiC(3)(KCDX)作者:CLAMP講談社Amazon 「天気はいいし お弁当は美味しいし! シアワセね――」 「シアワセじゃあねえっすよ! すんげ――怒られたんすよ!」 (xxxHOLiC 3) 先週の土曜、ふたたび消人栓を望む部屋を訪問した。「xxxHOLiC」に出てくる店は一…

strange aeons

魔道書ネクロノミコン外伝作者:リン・カーター学研プラスAmazon『魔道書ネクロノミコン外伝』をご恵送いただきました。どうもありがとうございます。 これは少し前に同じ版元から出た『魔道書ネクロノミコン完全版』を補完するもので、巻末の作品解題には「…

もうすぐお昼ごはんでじゅね

ダジャ単 シ・ル・ヴ・プレ―フランス語だじゃれ単語集駿河台出版社Amazonお昼ごはんのことをフランス語でデジュネ(déjeuner)という。それをこの本では「もうすぐお昼ごはんでじゅね」と覚えろというのだ……なかなか大胆な本でじゅね。著者はフランス語ダジ…

Lament for a maker

ゆみに町ガイドブック作者:西崎 憲河出書房新社Amazon あるいはウィリアム・ダンバーにならって、makersと複数にしたほうがいいかもしれない。なぜならここには詩を求める作家と、それから橋やモノレールを作ったり消したりしている人と、二人の「作る人」が…

ペガーナロスト13号

* ロード・ダンセイニ専門誌「ペガーナロスト」の13号が入稿完了したらし。この前の12号もたいそう充実していたが今回はそれに輪をかけている感じ。おまけに180ページを超えてなお1000円という大出血価格。 * それから、二人だけの世界に浸って第三者には…

forget-me-not

*昼の家、夜の家 (エクス・リブリス)作者: オルガトカルチュク,小椋彩出版社/メーカー: 白水社発売日: 2010/10/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (25件) を見る* 『ゆみに町ガイドブック』を読みはじめてまもなく、ちょう…

日本で重要な作家なのか

Hell Screen Cogwheels a Fools Life作者:Akutagawa, RyunosukeMarsilio PubAmazonまだまだ続くビオイ日記。なにしろ1600ページ以上あるからねえ。 1957年8月19日(月) シルビーナが彼にアクタガワの短篇を読んできかせる。わたしの示唆によって「藪の中」…

『剣の八』

剣(つるぎ)の八 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:ジョン・ディクスン カー早川書房Amazon引き続きビオイの日記より 1969年8月9日(土) ボルヘスとペイロウとともに家で食事。ボルヘス「ディクスン・カーの『剣の八』を読んだ。これほど博学で創意があって繊細…

五月では遅すぎる

ゆみに町ガイドブック作者:西崎 憲河出書房新社Amazon引き続きビオイの日記より。 1969年4月6日(月) ドイツの出版社より手紙。トルハウゼンの独西辞典のような言い回し。『六つの難事件』の難事件にボルヘスとビオイの序文がほしいと書いてある。四月中に…

よくわからない冗談

ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件作者:ボルヘス,ホルヘ・ルイス,ビオイ=カサーレス,アドルフォ岩波書店Amazon 「伊沢蘭軒」は大正5年6月から大正6年9月にかけて東京日日新聞などに連載された。もちろん大多数の新聞購読者は「毎朝毎朝鷗外先生の麗文が…

P氏も南山壽

引き続きビオイ=カサーレスの日記を読んでいる。今日は1962年2月26日の記述。人の日記を紹介していると毎日の更新が実に楽でいい。 ボルヘスが合衆国から電話してきた。「……ロサンゼルスでアントニイ・バウチャーとテクニックの話をした。彼はとても生き生…

都筑道夫はやはり凄い

都筑道夫 ポケミス全解説作者:都筑 道夫フリースタイルAmazon 引き続きビオイ=カサーレスの日記を読んでいる。こんなことで冬の祭典に間に合うのだろうか。それはともかく、1953年11月18日の項にはこうある。 二人で北アメリカのまぬけな作家たちの一人につ…

推理小説なんかくそくらえだ

Asesinos De Papel (Coleccion Signos y Cultura)作者:Rivera, Jorge Bernardo,Lafforgue, JorgeEdiciones ColihueAmazon 引き続きビオイ=カサーレスの日記より引用(1961年5月28日) "Vea y Lea"のために推理小説について何ページか書く。僕たちは何年も前…

読まずに書評

Borges作者:Bioy Casares, AdolfoDestino S.A. EdicionesAmazon ボ氏推理小説書評集の増強計画はあんのじょう、病膏肓状態に突入し、ついに買ったまま一ページも読んでいなかったビオイ=カサーレスの日記(上の画像の本)にまで手を出すにいたった。これを…

死の扉ついに開く

* 藤原編集室の今日のあぶくによれば、東京創元社の一月以降新刊にレオ・ブルース『死の扉』が入っているそうな。おお、死の扉がついに開くのか! 一月「以降」という表現が若干気にはなるけれど…… *

「(笑)」

伝説によれば、発言の後ろに(笑)とつけるのは、菊池寛が「文藝春秋」誌の座談会ではじめたことだという(真偽未確認)。そもそも座談会を雑誌の売りにしたのは菊池寛なのだから、「(笑)」は座談会の隆盛とともにはじまったともいえよう。だが仮に「(笑…

プロットよりも友情が大事

ボ氏のインタビューより。インタビュアーはオスバルド・フェラーリという人。 妹のノラといっしょに、シャーロック・ホームズの物語を再読したことがあります。それはまるで過去に帰ったようなものでした。というのも、もう何年も前、世界のあちこちで二人で…

マニアが最も恐ろしくなるとき

ボルヘス伝作者:ジェイムズ ウッダル白水社Amazon マニアが最も恐ろしくなるときはいつか。いうまでもない、論争をするときだ。ボ氏の場合も例外ではない。相手は当時ブエノスアイレスにいたロジェ・カイヨワ。彼は当時弱冠二十九歳の新進社会学者で、対する…