あけましておめでとうございます。 ツイッター(https://twitter.com/puchiere)があまりに便利なのでこちらはすっかりごぶさたになってしまいました。 皆さまにとって2024年がよい年でありますように。
文学フリマに来てくださった方ありがとうございました。おかげさまで売り上げも上々でした。(だいたい30部作れば売り切れ、40部作ると余るというのが例年のパターンで、これは会場が広くなっても、あるいは東京でも大阪でもあまり変わりません)ただ会場が…
いよいよ明日に迫る文学フリマ東京。今回は気合を入れていつもより倍のスペースをとりました。当日売る本を紹介します。まずは『教皇ハドリアヌス七世』邦訳記念(便乗ともいう)に、七年ほど前に出した「聖ルイジの百合について」を判型を若干変えて復刊さ…
もうかなり前の話になってしまったが、ある少年が「なぜ人を殺しちゃいけないんですか」と発言して世間が騒然となったことがあった。それをテーマにした新書も出たように思う。元首相が横死したときこのテーマが蒸し返されるかなと思ったが、それはなかった…
昨日の文学フリマ大阪に来てくださった方々、どうもありがとうございました。主催者の発表によると今回の入場数は四千人を上回る過去最高になったとのこと。なにしろ一時間前から開会を待つ人々が長蛇というもおろかな、はるかに延々と続く列を作っていたの…
漏れ聞く噂によれば、あの天下の奇書『ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件』が近く復刊されるそうです。まことにめでたい! これを記念して十二年ほど前に作った同人本も少部数復刊することにしました。明日の文学フリマ大阪に持っていきます。一九三四…
文学フリマ大阪11もいよいよ今週末9/10(日)に迫りました。今回の新刊はヘルツマノフスキー=オルランドの『フォン・ユブの命取りとなった海への旅』とレルネット=ホレーニア『男爵令嬢』の二本立てです。ちなみに前者は素天堂・山口雄也氏の追悼出版。お近…
たまに連れだって古本どらねこ堂に行くK氏(ブログには書かないでくれと頼まれたのでここではイニシャルのみ)から、「ベレンの翻訳が載ってますよ」と教えてもらった『魔王 第二号 魔女のいる文学史』をようやく入手した。限定三百部。造本はAtelier空中線…
ジャーロ No. 89作者:ジャーロ編集部光文社Amazon 光文社の電子雑誌『ジャーロ』で連載されている〈新保博久⇔法月綸太郎 往復書簡「死体置場で待ち合わせ」〉は、新保氏の博覧強記と法月氏の奇想が火花を散らす無類に面白い読み物です。これをひときわ面白く…
酷暑にも台風七号にもめげずに堂々刊行される『ナイトランド・クォータリー』の最新刊vol.33 の特集は「人智を超えたものとの契約」。今月末に書店に出回るようです。執筆陣の中では飯野文彦氏の名が目をひきます。もう20年以上前の話ですが、朝松健氏篇のオ…
前のブログにも書いたように、アカウントがないと他の方のツイートが見られないようになってしまったため、背に腹は代えられず、ツイッターのアカウントを取得しました。 https://twitter.com/puchiere雰囲気に慣れるまではツイートも控えるつもりですので、…
ツイッターがXになってからはアカウントのない人は見られないようになった。実生活でもずっと引きこもっていて、すっかり情弱になってしまい、氏の逝去を知ったのも某巨大匿名掲示板からだった。情けない。しかしこの「カーテン・フォール」というのは最高…
高原英理さんから近著『祝福』を贈っていただいた。ありがとうございます。もらったから言うわけではないが、これは傑作だと思う。少なくとも近来になく刺激的な読書体験であった。十年以上前にこの日記で三日にわたってとりあげた「記憶の暮方」(1, 2, …
数人の男女に文面が同じ手紙が届く。「これこれの時間にどこそこに来てください」と書いてある。そして行かざるをえなくなるようなことも書いてある。たとえば「あなたは遺産の相続人になりました」とか、あるいはある種の恐喝であるとか。そのように集めら…
今回の芥川賞は市川沙央氏の『ハンチバック』という作品に決まったという。おめでとうございます。それとはまったく関係ない話だが、このハンチバック (ドイツ語のBucklige) という言葉ほど翻訳するときに困る言葉はない。このことは『イヴのことを少し』を…
ベルギー幻想小説の世界は、ジャン・レイやトマス・オーウェンなどごく一部を除いてはまだまだテラ・インコグニタが広がっている。つまり本邦未紹介の作品がやたらに多い。それでもワロン語(≒フランス語)圏はまだましで、フラマン語(≒オランダ語)圏とな…
2007年にエディション・プヒプヒから出した矢野目源一の歌集『搖籃(ゆりかご)』が、まだけっこう在庫(売れ残りともいう)が残っていることが判明。どこかに通販をお願いするか、それとも文学フリマに出すか、いま考え中です。
『本の雑誌』の「図書カード三万円使い放題」で『テュルリュパン』を買ってくださった佐藤厚志氏が、『すばる』7月号の「読書日録」でこの本を評してくださいました。「前半のドタバタコメディから上流階級の陰謀まで一冊に凝縮させる巧みな構成と演出に舌…
これは前にも書いたかもしれないけれど、連載小説をリアルタイムで読んでいく楽しさはまた格別である。というのは、次の号が出るまで、これからストーリーがどう展開していくかをノンビリ考える時間があるから。たとえばほら、「読者への挑戦」がある推理小…
桜庭一樹さんが『紙魚の手帖』の4月号から『名探偵の有害性』の連載をはじめた。これがめっぽう面白い。名探偵の有害性とは何ぞや。もちろん中にはメルカトル鮎みたいに、有害といってもいい名探偵はいるけれど……舞台はパラレルワールド風の現代日本。この…
新紀元社から牧原勝志氏編纂による『幻想と怪奇 ショートショート・カーニヴァル』をいただいた。どうもありがとうございます。一読して驚くのはオリジナル・アンソロジーとしては尋常でない質の高さだ。ベテラン勢が健在を見せつけるいっぽう、中堅や若手も…
デ・ラ・メアの『トランペット』を訳者の和爾桃子さんからいただいた。どうもありがとうございます。マラルメの「メ」はマナコなり、と誰かが言ったそうだが、デ・ラ・メアもやはり目の人である。その小説にはストーリーを統御しようとする作者の手があまり…
高原英理さんの短篇ひとつだけを収めた小冊子を作者の好意により落掌した。なんたる僥倖。この「精霊の語彙」は来月末に出る連作長篇『祝福』の中の一篇なのだそうだ。『祝福』というとなんだかめでたい感じがするが、本のカバー上部に下半分だけ見える漢字…
(これは昨日の日記の続きです)こういう、フランス料理を箸で食べるような感じにときどきなる平井の翻訳態度が、ある種の人たちをいらだたせるのは当然といえば当然だろう。「ある種の人たち」というのは、大ざっぱにいうと海外の文化にあこがれる人たちで…
『迷いの谷』が出た。さいわい好評のようでうれしい。漏れ聞く噂によれば今度の『ジャーロ』でも取りあげられるという。そこでこの機会に解説で書き漏らしたことをひとつふたつ。平井呈一と日夏耿之介はどちらもゴシック・ロマンス移入の功労者で、また超自…
盛林堂ミステリアス文庫の新刊は渡辺啓助。この前皆進社から出た『空気男爵』がやや期待外れだったので、今度の啓助はどうだろうとおそるおそるページをめくってみた。だがこれは大当たりだった。まだ最初の二篇を読んだだけだが、めっぽう面白い。短い枚数…
黒死館附属幻稚園の新刊がすばらしい。今回の文学フリマで出たマーガレット・オリファント『秘密の部屋』である。これも黒死館研究史に新たな一歩をしるすものだと思う。『黒死館殺人事件』の舞台、黒死館の建築様式は「ケルト・ルネサンス式」であるらしい…
昨日の文学フリマでは大勢の方に来ていただきありがとうございました。一月の文学フリマ京都では5部、二月の文学フリマ広島では1部しか新刊が売れなかったので、たかをくくって15部くらいしか作って行かなかったところ、予想を上回る方に来ていただき、40…
ということで明後日は文学フリマですが、おかげさまでなんとか新刊が出せそうな雲行きです。それから商業刊行物で現在品切増刷未定のものも何冊か持っていきます。それから矢野目源一の『ゆりかご』が、あと3~40部くらい探せば在庫があるはずなので、見つか…