キャベル

ヴィヨンと皇帝ネロ

ヴィヨンといえばこの機会に大々的に宣伝したいのですが、拙訳『イヴのことを少し』にもヴィヨンは出てくるのですよ。しかもあの皇帝ネロと友だちでいっしょに旅しているのです。文字通りの悪友ですね。悪者でありながらどちらも文学に憑かれていた二人をペ…

一度ならず二度までも

ナイトランド・クォータリーvol.20 バベルの図書館アトリエサードAmazon SFファン交流会のアンケートには「二度と訳したくありません」と書いてしまったキャベル。実はそのあともう一度訳しているのを思い出しました。『ナイトランド・クォータリー vol.20 …

パぺの表紙

SFファン交流会も盛況のうちに終了したようで何よりです。わたしは残念ながら外せない用があって参加できませんでした。あらためてお詫びします。その代わり、といっては何ですがパぺ関連の小ネタをひとつ。2006年にエディション・プヒプヒからスタニスワフ…

四月のSFファン交流会

SFファン交流会の四月例会は『〈マニュエル伝〉シリーズの魅力(仮)』と題して中野善夫さんと安野玲さんが参加される予定です。わたくしは都合により参加できませんが、皆さまこぞってお申込みください。きっと面白い話が聞けると思います。ところで話は急…

『土のひとがた』いよいよ発売

ながらく待った『土のひとがた』が、来月発行との報に接する。おおいよいよ! 何を隠そう拙豚は縁あってゲラを発行前に見せてもらっている。これまで訳されたキャベルの中でいちばん面白いといっても過言ではない(いちばん遠くまで行くのはおそらく「月蔭か…

風の便り

キャベル某作品のゲラが届いたらしいことを風の便りに聞く。おお、いよいよ!

註の数

www.youtube.com Youtubeにアップされた『七つの夜』の元講演と後に書籍化されたテキストを比べると、あちこちで細かな推敲がなされているのがわかる。たぶんこの時期 (1970年代) にはボルヘスは自分で校正刷りをチェックしていたのだろう。だが1985年に一冊…

『怪と幽』4号

怪と幽 vol.004 2020年5月 (カドカワムック 828)作者:京極 夏彦,小野 不由美,有栖川 有栖,恒川 光太郎,近藤 史恵,山白 朝子,荒俣 宏,小松 和彦,諸星 大二郎,高橋 葉介,波津 彬子,押切 蓮介,東 雅夫発売日: 2020/04/28メディア: ムック 『怪と幽』4号で荒蝦…

2020年はキャベルイヤー

年明け早々、南條竹則氏の『幽』での連載をまとめた本が出るそうな。まことにめでたい。ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚作者:南條 竹則出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2020/01/07メディア: 単行本言うまでもないことだが、この…

『イヴ』ついに発売!

J.B.キャベル『イヴのことを少し』がアマゾンで「在庫あり」になりました。どうぞこぞってお求めください。毎月の国書税が厳しい昨今ですが、版元でマニュエル伝を担当されている方に話をうかがったら、この『イヴ』は、「当社ではもっとも安い価格帯の本」…

風もないのに

ジャーゲン (マニュエル伝)作者:J.B.キャベル発売日: 2019/10/26メディア: 単行本『イヴ』の初校ゲラが来た。当分はこれにかかりきりとなるだろう。 それにしても毎度のことながら表記揺れの激しさには我ながらウンザリする。もちろん別に揺らそうと思って揺…

ジーン・ウルフも負ける

キャベルのマニュエル伝を分担して訳している安野玲さんから、訳語のすりあわせについてメールをいただいた。そのメールによると、キャベル訳出はジーン・ウルフよりも大変なのだそうだ。ジーン・ウルフより大変とはすごいですね、と言うとなんか人ごとみた…

骨董箱見本出来

さるやんごとない方の一言がきっかけで飛ぶように本が売れ、たちまち転がり込む恐ろしいくらいの大金。しかし「宵越しの銭は持たねえ」とばかりに、儲けはすべて採算ウルトラ度外視の箱入り美装本につぎこむ、そんな特殊版元がどこかにあるという話を聞きま…

ストーリセンド版の前書きについて

今日は創元推理文庫神7の話はお休みにして、近く出るはずのキャベル作品集のことを少々。この作品集の翻訳底本は、中野善夫さんとの打ち合わせでストーリセンド版作品集にすることに決まった。この版の各巻にはキャベル自身による長い前書きが付されている…

お詫びと訂正

中野善夫さんから「月影から聞こえる音楽」は「月蔭から~」ではないかと指摘をいただきました。『幻想と怪奇』第二号を引っぱり出してみてみるとまさしくそのとおり!あわてて当該日記を訂正しました。ちなみにただいま絶賛発売中の『ドーキー古文書』の白…

大きな声では言えないが

ここを見ている皆さんはもうお聞き及びでしょうが、国書刊行会からジェイムズ・ブランチ・キャベルのマニュエル伝が(とりあえず)三作訳出される予定です。翻訳するのは中野善夫さん・安野玲さんのお二方および不肖わたくしであります。藤原編集室通信(出…

一番目と二番目の謎

あけましておめでとうございます。 全18巻から3巻を選んで一つのシリーズとして刊行するけど、Something About Eveだけ藤原編集室担当なのだ。これには、Twitterなどには記すことのできない長い経緯があるのだが、いつの日かそれも明らかになると思う。— 中…

発掘

とりあえず魔窟に潜って原本を発掘した。 挟み込まれていたレシートを見ると、この本は1979年11月15日に三省堂アネックスで810円で買ったらしい。ということは今を去るおよそ40年前のことだ。もうそんなになるのか! 時の流れが速すぎてついていけません。 …

秘密の合図

昨日のことである。とあるイベントに行ったら、会場で妙齢の美女から人目を忍ぶようにこれを手渡された。平然と受けとりはしたものの、内心では動揺を抑えられなかった。すでにこうしたものまで作成されていたとは! ふつうこうしたものは本が出てから作るも…

中野さんの本

中野善夫さんが9/15のツイートでいつものように届いた本の報告をされている。 本が届いた。今日はいい日だ。しかし、霊が写り込んでいて書名が見えない。 pic.twitter.com/gZvtQA5l0n— 中野善夫 (@tolle_et_lege) 2018年9月15日 実はわたくしも同じ本を持っ…

ジャーゲンの場

本の雑誌394号本の雑誌社Amazon いま発売中の『本の雑誌』で彩古さんがキャベルの『ジャーゲン』を紹介している。おお懐かしや。『夢想の秘密』が出てもう何年になるのだろう。同じ号で若島正氏がデ・ラ・メアの『恋のお守り』について「今は書店から消えた…

やや重要なお知らせ、その他

『聖ペテロの雪』販促キャンペーン、早速続々のご応募ありがとうございます。「好きなキャラ」は生物でも無生物でも、作中に出てくるものなら何でもOKですので、ふるってご応募ください。ところでハッシュタグ「#聖ペテロの雪」の「ペ」をひらがなの「ぺ」で…