ヴァージニア・ウルフ

なんでもするわ

この年になると視力の衰えは避けられない。先月チェックを終えたゲラの版面は、ページ数のフォントをやけに小さくしたデザインだった。もちろん目を凝らせばわかるのだけれど、一目では読みとれない。やれやれ~。 先日読んだヴァージニア・ウルフの『青と緑…

ヴァージニア・ウルフを讃えて(2)

少し前に白水uブックスから出た『フラッシュ』は、『青と緑』とは全然違う作品で、カフカには逆立ちしても書けまいと思われるイギリス流ユーモアに満ちている。『オーランド―』のこだまのような才気のきらめきがあちこちに輝いていてまぶしい。 後半で舞台は…

ヴァージニア・ウルフを讃えて(1)

むかしちくま文庫で出た『ヴァージニア・ウルフ短篇集』が大幅増量されて帰ってきた。嬉しいことではないか。ウルフの短篇世界にどっぷり浸かれる機会がまた巡ってきたとは。 ボルヘスや澁澤には何らかの偏愛の対象がある。その対象は物すなわちオブジェであ…

姑の視点は天使

紀伊国屋書店の桜庭ほんぽっ! 「姑にしたくない女」の第二弾はヴァージニア・ウルフ。おお、なかなかに鋭い選択! 小説作法上の用語に「視点」というものがある。中島梓の『小説道場』でも口を酸っぱくして語られていたが、ことにミステリではこの問題はな…