積読

消えないうちに読もう

『都筑道夫の読ホリデイ』にこんな ↑ 一節がある。「やたらに本が消える」とはおだやかでない。大変失礼な想像で恐縮なのだけれど、大胆な想像をあえてすれば、もしかしたら都筑夫人は、都筑氏の留守中に本が届くと「ああまた本が増えた。片付かないったらあ…

積読を避けるコツ

(これまでのお話)『本の雑誌』2月号を読んだプヒ氏は、年が明けてまだ一冊も本を買っていないことを反省した。そこでさっそく本屋に出かけた。そこで買ったのが去年買い逃していたこの本 ↓ である。 買った本を積読にしないコツ。それは「一度に一冊しか…

怪異買書教

『本の雑誌』2月号の特集は「本を買う!」。特集ページを開くといきなり中野善夫さんが「本を買え。天に届くまで積み上げろ。」と号令している。おそろしく気合が入った特集である。池澤春菜さんの『SFのSはステキのS』に付されたCOCOさんの挿絵をほうふつ…

積読本のない家

書棚の整理をしていたら以前買った『ヨコジュンの読書ノート』(書肆盛林堂, 2019) が出てきた。ヨコジュンこと横田順彌氏が高校三年から大学生時代にかけて書いた読書記録である。 本文も興味深いが巻末の北原尚彦さんによる解説にはさらに驚いた。冒頭いき…

現代科学で解明できない念波

『あくび猫』には不幸の手紙のことばかり書いてあるわけではない。「本は積んでおくだけで勉強になる」とも書いてある。 この怪現象の説明として、積んだ本からは現代科学では解明できない念波が出ていて、それを受信することで脳細胞が活性化されるのだと一…

神崎繁旧蔵書

数年前惜しまれながら早すぎる死を迎えた神崎繁の旧蔵書がヤフオクにどちゃっと出るという噂を聞いて及ばずながら参戦した。 当日はあんのじょう壮絶な争奪戦が繰り広げられたのだが、拙豚はあんまり目立たない一山ものに的を絞り、おかげで「51冊一括」とい…

渡部の呪い

知的生活の方法 (講談社現代新書)作者:渡部 昇一発売日: 1976/04/23メディア: 新書 渡部昇一は好きか嫌いかと言われればまあ大嫌いなのだが、高校生の頃この人の『知的生活の方法』を読んだことがある。筒井康隆がたしか『奇想天外』の連載書評で誉めていた…

後悔しない秘訣

昨日の日記で「いつなんどき変な圧力がかかって出版差し止めとか回収とかになるかもわからないから」と書いたが、これはすなわち、「あとで後悔しないよう今のうちに買っておく」という意味である。買って後悔するか、買わずに後悔するか、これは千古不易の…

こんまり入門

巷で噂の『人生がときめく片づけの魔法』をちょっと覗いてみた。人生がときめく片づけの魔法 改訂版作者: 近藤麻理恵出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/02/14メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「選別と収納を同時にしてはならない」とか…

老いてますます本を買うこと

ちょっとしたきっかけがあってハイデガーに凝るようになり、木田元やスタイナーの解説書を手始めに、本人が書いた本もわからぬながらパラパラめくっている。わからないといっても、いい新訳が出ているおかげもあって、昔よりはわかる(ような気がする)。か…

横積み者の末路

SFのSは、ステキのS作者:池澤 春菜早川書房Amazon 以前『乙女の読書道』を一読して文章のうまさに仰天し、そのまま池澤ファンとなった。(こんな言い方をされては本人としては不本意だとは思うけれど)三代の蓄積を目の当たりに見る思いがする。 ということ…

大積読者

ボルヘス,オラル (叢書アンデスの風)作者:ホルヘ・ルイス ボルヘス書肆風の薔薇Amazon 大読書家ボルヘスは同時に大積読家でもあった。しかも、「いつかは読む」という口実さえない純粋積読者だった。ウソじゃないよ。七九歳のときの講演録『ボルヘス・オラル…

読まずに書評

Borges作者:Bioy Casares, AdolfoDestino S.A. EdicionesAmazon ボ氏推理小説書評集の増強計画はあんのじょう、病膏肓状態に突入し、ついに買ったまま一ページも読んでいなかったビオイ=カサーレスの日記(上の画像の本)にまで手を出すにいたった。これを…