麻耶雄嵩

あるLegitimist(正統主義者)のこと

文学における超自然の恐怖作者:大瀧 啓裕学研プラスAmazon 「人類の最も古く最も強烈な感情は恐怖であり、恐怖のなかで最も古く最も強烈なものは未知なるものの恐怖である」――「文学における超自然の恐怖」冒頭の有名な一節だが、こういう物言いはどんなもの…

どう見ても『春と秋の奏鳴曲』です

*夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)作者: 麻耶雄嵩出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/08メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 170回この商品を含むブログ (97件) を見る* 事情あって、書庫の隅で埃をかぶっていたジョン・ファウルズの『魔術師』を探し…

ウリエル、ガブリエル、チタンダエル

遠まわりする雛作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 148回この商品を含むブログ (251件) を見る 青い月の光が街上に流れているある夜 シャーロック・ホームズ氏の許へ一人の紳士が飛び込んできた 「…

叙述トリック大全、あるいは真相の2/3

騙し絵の館 (創元クライム・クラブ)作者:倉阪 鬼一郎東京創元社Amazon おそらく現時点での倉阪ミステリの最高峰。年末の「このミス」で何位になるか楽しみ。ありとあらゆる叙述トリックが鏤められていて、さながら叙述トリック展覧会みたいだが、それでいて…

『催眠的暗示(ハンドブッフ・デル・ヒプノチヒェン・ズゲスチョン)』(ゲルリング)

副題は「実例を基にした、実務家のための、治療-および教育-暗示療法施術入門」。その書き出しは「催眠および暗示は殊に近年、教養ある人士ならば皆話題にしており、ほとんどスローガンと化していると言ってもいいほどだ(p.8)」となっており、催眠術に関する…