2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

サンリオ文への挑戦

サンリオSF文庫といえば裏表紙の紹介文が懐かしい。本のカバー等に記された内容紹介文は、本来その本への興味を持たせるために書かれるものであろう。ところがサンリオSF文庫裏表紙の紹介文には、そんな低次元の目的なんか気にしてたまるかとばかりに、ひた…

ヴァリスの訳注

サンリオSF文庫『ヴァリス』の訳注といえば、初読以来気にかかっているところが一か所ある。と書くと、「ああ、あそこね。うんうんわかるよ」とうなづいてくれるかたも何人かおられると思う。そう、ここである。 ちなみにこの「トラヴル」は創元推理文庫版*1…

風もないのに

ジャーゲン (マニュエル伝)作者:J.B.キャベル発売日: 2019/10/26メディア: 単行本『イヴ』の初校ゲラが来た。当分はこれにかかりきりとなるだろう。 それにしても毎度のことながら表記揺れの激しさには我ながらウンザリする。もちろん別に揺らそうと思って揺…

峯太郎ホームズの美点その他

山中峯太郎訳のホームズについては前にも書いたが、いまだその魅力から離れられず、とうとう古本屋でポプラ社版の安いのを見つけたら買うようにまでなった。病膏肓に入ったというべきか。フッフッフー。 峯太郎訳はたしかに超訳・怪訳には違いないのだが、わ…

「なんなら」新用法への期待

二松学舎大学・島田泰子教授の論文「副詞「なんなら」の新用法」をたいそう興味深く読んだ。特にこの論文の「はじめに」に記された、一般には誤用とされる用法への柔軟な対応はとても共感できる。この論文が指摘するように、近ごろは「なんなら」の伝統的で…

文学フリマ御礼

昨日は台風の近づく中、文学フリマ大阪に参加してきました。スペースに来てくださった皆さま、ありがとうございました。文学フリマは開催場所によってそれぞれ雰囲気が違うものですが、大阪の場合は溌溂というか、シャキシャキというか、浪速の底力を見せて…

ジーン・ウルフも負ける

キャベルのマニュエル伝を分担して訳している安野玲さんから、訳語のすりあわせについてメールをいただいた。そのメールによると、キャベル訳出はジーン・ウルフよりも大変なのだそうだ。ジーン・ウルフより大変とはすごいですね、と言うとなんか人ごとみた…