土屋君の近刊


プシルスキー『大女神』がなかなか出ずやきもきしていたのももう遠い昔になってしまったけれども、なんと寝耳に水なことに『三面記事の歴史』なる面妖なタイトルの本が九月に出るそうな。これを嬉しいと言わずして何を嬉しいといおう。本書の訳者、土屋和之さんの恐るべき麗訳は、部数の少ない雑誌にしか載らないためもあって、残念なことにまだ一般に知られているとは思えないのだが、この本あたりがきっと突破口になるだろう。
噂によれば本書はかの高遠弘美先生から「後事を託せるのは君しかいない」と言われ翻訳上梓したものだという。品下れる今の世にあって、芳醇なる日本語に飢えたるものよ、迷わずこの書を買いたまえ!