重版決定!

探偵ダゴベルトの功績と冒険 (創元推理文庫)

探偵ダゴベルトの功績と冒険 (創元推理文庫)


『探偵ダゴベルトの功績と冒険』、重版が決まったそうです!

世紀の傑作(主観視点)『夜毎に石の橋の下で』がいまだ達成できないでいる重版を一か月かそこらでやってのけるとは……ダゴベルト……恐ろしい子! この本は本国でさえずうっと埋もれていて、あのエラリー・クイーンも『クイーンの定員』のなかで「相当な稀覯本」とか言ってるんですよ? 「ドイツで○百万部のベストセラー!」みたいなのとは対極にある本なので、てっきり一部の熱心なマニアにだけ受け入れられるものだと思っておりました。だってホラ、「クイーンの定員」って聞いてガタッと身を乗りだす人なんて日本に千人もいないと思いますたぶん。

いったい何が重版の引き金に? ヴィオレット夫人のツンデレ? 磯良一氏と山田英春氏が絶妙のタッグを組んだ表紙? それとも営業担当の方々がすごい豪腕なのか。あるいはおりからのドイツミステリブームにうまく乗ったのだろうか。あるいはペルッツファンの人たちが買ってくれたのだろうか。ハッまさかインドの貴公子が暗躍したわけでは……。

とにもかくにも、買ってくれた皆様、どうもありがとうございます。一世紀ものあいだ秘められたままになっていたこの物語の真価が認められたとしたならば、こんなにうれしいことはありません。今後さらにとんでもない怪作を読者にお届けすべく、ただいま編集の方と鋭意密談中です。