それなりの理由


紀伊国屋新宿南店で『ボリバル侯爵』のPOPに遭遇。自分の訳書のPOPなんてはじめて見たよ。ありがとう、ありがとう新宿南店の中の人!




ところで「ナッサウ年鑑」という年鑑がナッサウ考古学・歴史研究協会というところから刊行されていて、その1991年度版に『ボリバル侯爵』の書評が載っている。こうした真面目な専門誌に小説の書評は一見場違いだが、『ボリバル侯爵』はスペインに従軍したナッサウ連隊の物語なので、その関係で取り上げられたようだ。
それにしても1920年に出た本を1991年に書評するとは少しのんびりしすぎているのではないか。とも思ったけど実はそうでもない。ペルッツの伝記を書いた研究家ハンス-ハラルド・ミュラーが元原稿と照合して本文を決定したという校訂版が前々年の1989年に出版されていて、この書評はそれを受けたものだった。
しかしこれがなんというか、苦虫を噛み潰しながら書いたような文章なのですね。
でもそれにはそれなりの理由があるのである。詳しくは『ボリバル侯爵』の解説を読んでください。でも願わくばその前に小説そのものを読まれんことを!