夏のクラシック怪奇小説フェア

 三省堂書店神保町本店二階では今「夏のクラシック怪奇小説フェア」が開催中です。これを選書した人はきっとかなりのマニアだな……日本作家では高原英理さんの本だけがあるのが渋いではないか……と思いながら並んでいる本を見ていたら、版元品切増刷未定になって久しいグスタフ・マイリンク『ワルプルギスの夜』もあるではありませんか。今までどこに隠していたんでしょう。ともかく思いがけなく再登場したのはありがたいことです。

 その左隣に見えているのは『書物の王国』であります。これもまた超クラシックな本で、「まだ在庫があったのかーー」と驚きました。先日逝去された須永朝彦先生はこの叢書で大活躍されていて、「3王侯」「5植物」「8美少年」「9両性具有」「10同性愛」「12吸血鬼」「13芸術家」「16復讐」「19王朝」「20義経」と全二十タイトルのうち十タイトルの編者を務めておられます。今国書のサイトで調べたら、3、5,16、19、20はいまだに版元在庫があります。『ワルプルギスの夜』とともにこれが最後のチャンスかもしれません。

 そればかりではありません。下の平台には知る人ぞ知るあの伝説の怪書『いかさまお菓子の本 淑女の悪趣味スイーツレシピ 』も見えます。クラシック怪奇小説群の傍らにあえてこの本を並べた書店員の方のセンスに敬意を表したく思います。
 
 

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