なのめに書き流したる

下の画像は特に名を秘す版元の、昔の本に挟まれていた愛読者カードだ。ここを見ている方なら「あああれね」とピンとくる方も多いと思う。


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ごらんのとおり斜めになっている。印刷ミスではないようだ。意図的に傾けているらしい。古老の話によればこの本の新聞広告も斜めになっていたそうだ。でもどうして?

ある小説には恋しい思いを伝えるために切手を斜めに貼る女性の話が出てきた。それからネットのどこかで見たのだが、ある会社では上司へのお辞儀の代わりに印鑑を斜めに押すということだ。そういうのに類したことだろうか。でも「類する」と言われてもどう類するのか。そもそも斜めだと書きづらくはないのか。読むときもハガキを斜めにして読むのか。とにかく疑問は尽きない。

項目に特に変わったところはないが、ただ一点、「本書についてのご感想」という三角のスペースに、「造本者へのご意見」というのがあるのがやや珍しい。よほど意見を言ってもらいたいのだろうか。

ともかく謎の多い版元ではある。相当にひねくれた版元ではないのかという気もする。