2005-01-01から1年間の記事一覧

神によってなされなかったこと

青い館の崩壊―ブルー・ローズ殺人事件 (講談社文庫)作者: 倉阪鬼一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/07メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る (ネタバレ気味なので未読の人は以下を読まないほうがいいかもです) 講談社ノベ…

今度は7割引〜

神保町の北沢書店が店内改装ということで、8月いっぱい全点7割引という暴挙をやっています(ただし1階のみ)。要するに不良在庫処分なのかな?早速今日行って買ってきた本:The Letter of Marsilio Ficino Vol.7 / Writing the New World -Imaginary Voya…

あやしい検索エンジン

http://www.ask.com/

実際にあったダイイング・メッセージ

id:lovelovedogさんが「実際にダイイング・メッセージを残した人物はいるのでしょうか?」と聞いているのでちょっと考えてみた。 まずダイイングメッセージの定義について。たとえば都筑道夫は、「黄色い部屋はいかに改装されたか?」の中で「被害者が息を引…

橋詰久子さんのサイト「月世界通信」が7月末で閉鎖されるそうだ。うああ残念!

ミーコちゃん、お誕生日おめでとう!

妖怪伝説奇聞作者: 東雅夫出版社/メーカー: 学習研究社発売日: 2005/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 「妖怪伝説奇聞」のBK1特典もやっと来たよ。ミーコちゃんの「くだんちゃん」の続きも読みたいなあ。せんせいの本のびーけーわんのオ…

搭上の姫君のパラドックス

論理サバイバル―議論力を鍛える108問作者:三浦 俊彦二見書房Amazon クリプキの流れで、この本もちょっと覗いてみた。しかしこれはちょっとまずい本なのではないか。マクタガートの時間非実在論については誤解があるようだし、巻末近くの宇宙有限時間説などは…

よそびとの夢・時間の獄

中井英夫戦中日記 彼方より 完全版作者: 中井英夫,本多正一出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/06/18メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (22件) を見るこれは素晴らしい本だ! 単なる深夜叢書版(潮出版社版)の完全版というだけでは…

30%割引セール

ウィーンの文藝専門古書肆Domenico & Raluca Jacono-Munteanが残念ながら閉店することになり、現在30%割引セールを行ってます。カタログはすでに櫛の歯が抜けたような状態になってますが、ドイツ語の本をメインに、ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語、…

クラサカ入門篇

紫の館の幻惑 教殺人事件 講談社ノベルス作者: 倉阪鬼一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/06/07メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (12件) を見る mixiの某コミュでネタバレしまくりで受けている作品。たしかに読み終わったあとで人と…

紫の館の幻惑 卍卍教殺人事件

mixiではネタバレ論議も始まったというのに、まだ拙豚の近くの書店には入荷していない。いったいどうしたというのだ。

ビブリオテカ・プヒプヒ新刊

コミケ受かりました〜 8月13日(土)西り13 今回の新刊はH.W.ツァーン「ヴァルミュラーの館」(1930)になる予定。クービンやシェーアバルトの友人の精神科医による錬金術的ロマンスです。クービンの挿絵4枚入り。作中にはクービンがモデルと思しき(?)画家も…

にせくとぅるーちゃん?

クトゥルー〈13〉 (暗黒神話大系シリーズ)作者: オーガストダーレス,大滝啓裕,August Derleth出版社/メーカー: 青心社発売日: 2005/06/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (23件) を見る ちびくと「おいどらくと! このほんの369…

早稲田進省堂

久しぶりに行くと、国学院でピクチャレスクを研究していた方が逝去されたとかで(誰だろう?)、店内は大げさに言えば足の踏み場もないほど面妖な本で溢れている。めぼしい本はとっくの昔に売れてしまったらしい(店主談)。しかし性懲りもなく両手一杯に買っ…

未確認情報

今日ですぺらに行ったら、ミステリチャンネルでどなたかが「最後の審判の巨匠」をとりあげてくださったという話を聞いた。 おお、そういえば10冊以上あったはずの池袋ジュンク堂の在庫が、いつのまにか5冊になっているよ。テレビの威力はすごいな。 どなたな…

独仏幻想ミステリ逍遙(4)レルネット=ホレーニア『僕はジャック・モーティマーだった』

舞台は戦前のウィーン。主人公はタクシードライバーのフリードリヒ・シュポーナーという青年(右の書影にはいい年をしたオッサンが写っているが、これはなんかの間違いで、われらのシュポーナー君はたぶん二十歳そこそこくらいではないかと思う)。彼にはマ…

『トランペット赤と空の蒼』

『最後の審判の巨匠』の解説を書く参考用にと注文していた本が今ごろ届いた。あたかもラテン系出版社のような暢気さである。まあでも来ただけよかった。 しかしこのCorianという出版社はなかなか奇特な版元で、その出版物はSFと幻想文学の研究書にほとんど特…

独仏幻想ミステリ逍遙(3)エルンスト・ユンガー『危険な出会い』

第三ファントマ(a.k.a.ヨーイチ)さんから教えてもらったエルンスト・ユンガーが1985年、御年90歳のときに書いた探偵小説である。舞台は19世紀末のパリ。海峡を隔てたロンドンで、切り裂きジャックが世間を騒がせていたとあるから、1888年の話なのだろう。…

幻遊社にて

下北沢の幻遊社は学生時代からお世話になっている店だ。昔ながらの古本屋がガンガン消滅していくなかで、店のたたずまい、扱っている本、それから良心的な値付けに至るまで、20年以上前のままなのはまったく素晴らしい。線路の向こう側の某書店も、小鳥の世…

くとぅるーちゃんの眷属たち

奥歯さんの命日に合わせたわけでもあるまいけれど、TrollandToad.comはいろいろくとぅるーちゃんシリーズの新作を出しているようだ。右の画像は「ちびしょごすちゃん」($11.95)。か、かわいい……のだろうか? 触手についてる目玉が二つだったり三つだったり…

独仏幻想ミステリ逍遙(2)モーリス・ルナール『?彼?』

モーリス・ルナール(1875-1939)はJ-H・ロニーと並び戦前フランスの幻想的SFを代表する作家である、とシュネーデルの「フランス幻想文学史」では位置付けられているが、ミステリと称して差し支えない作品も何作か書いている。中でもこの「?彼?」(1927)など…

自分のことを「魔」と言うわけはない

いやそれは、あの手記が書かれたのは事件が起こってから二十年後なので、主人公にも自分を客観的に振り返って、反省する余裕が出てきたのではないかと。しかしあの最後のフレーズ「そしてマイルズの小さな心臓は、魔を祓われて、止まっていました」は謎だ。…

"The Turn of the Screw"と金玉の謎 

ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元推理文庫)作者:ヘンリー・ジェイムズ東京創元社Amazon 「蒸気にはスコロクというもんが付いておる。それがないと船は走らんのや」 私に云い聞かせながら、彼は私が描いた汽船のおしりに、即ち水面下に隠れているはずの部分…

理想の女

江戸川乱歩全集 第17巻 化人幻戯 (光文社文庫)作者: 江戸川乱歩出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/04/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (14件) を見る 「ささやかな短篇で、たとえば、メリメの如く、カルメンからコロンバへ、さらには人を殺すヴィナ…

ロナルド・ファーバンク「人工皇女」

単行本で60ページあまりの短い長篇。なんだか中絶作のような感じもする。 「未来のイブ」みたいな、機械人形が活躍する話をタイトルから想像したがそうではなかった。たぶん「アーティフィシャル(人工的)」という言葉は、例えば三島由紀夫を指して「人工的」…

出版記念会

足をお運びいただいた皆様、どうもありがとうございました。おかげさまで大盛況、楽しい会となりました。 (ビブリオテカ・プヒプヒといえば、やはり会の席上である人と話していて、今度の夏コミ新刊はファーバンクの「人工皇女」にしようかとチラと思った。…

19世紀の撲殺天使たち

悪魔のような女たち (ちくま文庫)作者: ジュール・バルベードールヴィイ,Jules Barbey D'Aurevilly,中条省平出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/03メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (13件) を見る いままで数種の翻訳が出て…

極右対超右、南海の大決闘

ユンガー=シュミット往復書簡―1930‐1983作者: ヘルムートキーゼル,Helmuth Kiesel,山本尤出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2005/03/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見るナボコフ=ウィルソン往復書簡集を買うつもりが…

方法の原理―知識の統合を求めて

方法の原理―知識の統合を求めて (叢書・ウニベルシタス)作者: サミュエル・テイラーコウルリッジ,Samuel Taylor Coleridge,小黒和子出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2004/10/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る さすがに立ち読み…

張り込み日記(2)

夕方からまた三省堂で張り込み(我ながらバカなことをしているとは思う)。結果はあえて記すまい。土曜日から全然本の数が減ってないのはいかがなものか? 今日の立ち読みはこれ: