方法の原理―知識の統合を求めて

方法の原理―知識の統合を求めて (叢書・ウニベルシタス)

方法の原理―知識の統合を求めて (叢書・ウニベルシタス)

 
さすがに立ち読みだけでは読みきれないので買って帰る。コールリッジの評論作品の読みやすい翻訳が出たのを喜びたい。解説によるとBiographia Literariaの新訳も進行中だそうで楽しみなことだ。ルネ・ウェレックの批評史ではコールリッジの評論は独創性がないとのことでケチョンケチョンにけなされているが、なるほど、この本でもカントやベーコンやプラトンやプロティヌスがグチャグチャに入り交じってはいる。しかし、この諸神混淆ぶり、それからハードな議論の書でありながらどことなく甘やかな雰囲気の漂っているところなど、フィチーノやピコ・デラ・ミランドラを思わせて拙豚は大好きだ。何より(フィチーノらと同じく)「イデアへの憧憬」という筋が一本通っているのがよいと思いました。