2020年はキャベルイヤー

年明け早々、南條竹則氏の『幽』での連載をまとめた本が出るそうな。まことにめでたい。

ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚

ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚

  • 作者:南條 竹則
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/01/07
  • メディア: 単行本

言うまでもないことだが、この本は出たら即刻、抜く手を見せぬ勢いで購入することをお勧めする。なにせ名にし負うKADOKAWAのことだから、売れないと見るや、たちまち断裁するに違いないから。むかしむかしこの版元が傑作『アムネジア』さえをも容赦なく葬り去った事実を拙豚は忘れてはいない(しかも文庫にさえならなかった)。たぶん今では状況はさらにシビアになっているだろう。短期にさばけるか否かの一点のみで書物を評価する版元にも困ったものだ。まあKADOKAWAだけに限らないけど。

ところでこの『ゴーストリイ・フォークロア』には、『ジャーゲン』のあとがきにも言及のあったキャベルの「コリンナについて」も収録されるという。そしてキャベルといえばそればかりではない。この春にはエッセイの翻訳が某誌に載る予定になっているし、とあるキーパーソンのインタビューも某誌に載る予定と聞いている。もちろんあの「ウィザード・ナイト」全四巻を単独で訳し切った真打ち、安野玲氏による『土の人形』も春には出るはずである。

オリンピックを蹴散らして2020年をキャベルイヤーにすべく、関係者はかくの如き暗躍を続けているのである。なにとぞ乞うご期待。