おそるべき池澤効果

 
 ツイッター情報によると、先日の神保町ブックフェスティバルでは、本の雑誌社のブースで池澤春菜さんが売り子をされていたそうだ。全然気づかなかった! なにしろああいう場所では本しか見ていないから。人を見る余裕などはないから。

 その池澤さんが朝日新聞の書評欄で『アンチクリストの誕生』をとりあげてくださった。ありがとうございます!

 その効果はおそるべきもので、アマゾンの在庫の冊数がリロードするたびに減っていく。いま現在で残り二点である。順位も一時は670位くらいまでいった。おお、これが三桁順位の売れ方なのか。(ところで「効果」で思い出した。『ミュラー・フォッカー効果』が訳されるという噂が一時あったけれど、その後どうなったのでしょう)

 それはともかく、嬉しさのあまり池澤さんが推薦していたあと二冊の本『スチーム・ガール』と『未必のマクベス』も買ってみた。
 

 
 『スチーム・ガール』は表紙がかわいい。少女形ロボットが石炭を焚いて走る話だろうか。頭のてっぺんからポーとか煙出したりして。フランク・リード・ライブラリではあるまいし、まさかそんなことはあるまいとは思うが……

 『未必のマクベス』のほうは、タイトルの意味すらわからない。だが帯の煽り「本書を読んで早川書房に転職しました」というのが、ただごとではない雰囲気を醸し出している。はたしてこれは読んでいいものであろうか。とりかえしのつかないことにならないだろうか。そういえばむかし、『虚無への供物』を文庫化するために講談社に入社した人というのがいましたね。