怪異買書教に入信すべきか

 

『本の雑誌』2月号で喧伝された怪異買書教。その教義はただ一つ——「本を買え。天に届くまで積み上げろ」。そうすれば30年後か40年後に御利益があるという。それから信者の間ではこんまりは人心を惑わす悪魔の使いとされていて、その名を口にするさえ汚らわしいとばかりに、「あの人」としか呼ばれないそうだ(情報ソース:『本の雑誌』)。怖いですね。

幸いまだ社会問題化はしていないようだけれど、信者に多額の出費を強いる宗教であるゆえ、いずれ総理大臣を手製のライフルで狙うような人が出てこないともかぎらない。——あんなに優しかったお母さんが、とつぜん、「本を買え。天に届くまで積み上げろ!」と一声叫んで、読みもしない本を大量に買いだした。これは総理が悪い。総理のせいだ——総理こそいい迷惑である。

不肖わたくしも今入信しようかどうか迷っている。えっ? とっくに入信してるじゃないかって? いえいえそんなことはありませんよ、月百冊なんて買ってないし。それなら何冊買っているかというと、えーとえーと——ああまあそんなことはともかく前非を悔いて今日は何か新年初の本を買って帰ろう。